食べても太らないという「胃下垂」うらやましい限りです。
ほっそりと痩せていて背が高い人が多いとも言われています。
とにかく食べても太らないというわけでネットでは「胃下垂になりたい」という人の投稿があったりします。
胃下垂になる方法というものもたくさん見つかります。
本当に胃下垂は「食べても太らない」というだけでいいことなのでしょうか。
ダイエットに苦労している人にはうらやましい話ですよね。
ダイエットの方法としたら究極のもののようにも思えてきます。
でも残念ながら、そんなにうまい話にはならないものです。
胃下垂はまったくの体の異常な状態なのです。
長年胃下垂で苦しんでいる人もいるくらいのものなのです。
胃下垂を改善したいという努力をすることはあっても、 なりたい・なろうという努力をするようなものではありません。
胃下垂とはどんなものなのか説明します。
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胃下垂とは
胃下垂とは、ずばり胃が通常の位置よりも下のほうにあることです。
胃は普通、正面から体を見たときにみぞおちの辺りにあります。
ところが胃下垂の人はそれがおへそや下腹部のあたりにまで垂れ下がってしまっているのです。
基本的に、胃の上部の位置は変わらないので、胃の下の部分がのびているということになります。
自分が胃下垂かどうかを確認するためにはいくつかのチェックポイントがあります。
1.胃が張った痛みがある
2.少量の食事で満腹感がある
3.食後のむかつき
4.飽満感がある
5.食欲不振
6.食後の吐き気・ゲップ
7.食後の胃もたれや腰痛
8.大便がきちんと出ない
以上のポイントにあてはまる点がいくつかあれば、胃下垂の可能性があります。
胃下垂になると冷え性を誘発したり骨格にまで影響が出てくることがあるといいます。
おへそのあたりが前に突き出たようになり、妊娠しているかのように見えたりするので、女性には気になるところです。
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胃下垂の症状は?
実際に自分が胃下垂でも症状が軽かったりすると、気づかないことも多いといいます。
胃下垂の症状の主なものとしては、
胃もたれ・
食欲不振・
食後の不快感やむかつき・
ゲップ・
ひどいときには吐き気を感じることがあるなどがあります。
胃がうまく働くことができないために、
消化吸収がうまくいきません。
そのために肌荒れなどのトラブルがおきやすいということもあります。
また、ひどくなると胃が消化をすすめるために
胃液の分泌量が多くなり、 胃炎や胃潰瘍を引き起こすこともあります。
満腹感がなかなか得られないために過食の原因ともなります。 「痩せの大食い」などと言われたりすることがありますね。
お腹の下のほうは筋肉も薄いため、
冷えやすい環境です。
胃がそこまで下がってしまうと冷え性の原因になったり、 冷えが原因でや便秘や下痢といった症状を繰り返しやすくなったりもします。
頻尿や便秘は胃が下がって膀胱や腸を圧迫することによっても起こります。
その他に冷えが原因となって頻尿になったり、
女性の場合は妊娠しにくくなってしまうということも起こります。 余談ですが、胃下垂の人でも妊娠・出産は問題ありません。
胃下垂の治療法は
胃下垂の原因には心因的なものと身体的なものがあります。
心因的なものとは疲労やストレスなどで副交感神経のバランスが崩れてしまうことです。
そのために胃がうまく働かなくなり 消化活動がスムーズにすすめられません。
胃の中に常に食べたものがあるために、 その重みで胃が引き伸ばされてしまうのです。
身体的要因には 「姿勢の悪さ」があげられます。 背が高い人で猫背気味の人は要注意です。
猫背は腹筋が弱いということでもあります。
腹筋が弱いと胃を引き上げておくことができにくくなり、
胃下垂の原因になってしまうのです。
また、姿勢が悪いと骨盤が歪んでしまうことがあります。 それも胃下垂の原因となります。
上の動画のように骨盤を矯正して胃下垂を治すという方法もあるようです。
「胃下垂を治す薬」というものはありません。
西洋薬では胃腸機能の調整薬や消化酵素剤を処方してもらうことが多いと思います。
漢方薬では虚弱体質や胃腸が弱い場合に処方される「補中益気湯」などを使うことが多いようです。
治療法としては、上手なストレスの発散方法を見つけましょう。 疲労がたまりすぎないように適度に体を休めることも大切になります。
姿勢の悪さ・骨盤のゆがみが原因で胃下垂になってしまっている場合は整体や骨盤矯正が効果的です。
食生活の見直しも必要です。 暴飲暴食を避ける・ よく噛んで食べる習慣を身につけてください。
メニューを見直し、 栄養バランスのよい食事をこころがけます。 消化を助けてくれる食物、 大根やパイナップルなどを採り入れてみましょう。
適度な運動で腹筋を鍛えて体を強くすることで胃を吊り上げられるようにします。 体を動かすことはストレスの発散にもなります。