くしゃみや咳をしたとたんに
ちょっとおしっこが漏れてしまう程度の軽い尿漏れは
成人女性の約半数が経験があるというくらい多いものです。
妊娠や出産を経験したあとに症状が出るようになることが多いものですが、
出産経験のない10代や20代の若い世代の人でも重たいものをもったりしたときに ちょっと漏れてしまったということがあるものです。
女性の身体の構造的に男性に比べると 尿漏れは起きやすいものなのです。
女性の尿道は男性よりも短いうえに、膀胱からまっすぐ伸びています。
腹筋や骨盤底筋も男性に比べると弱いので、 尿漏れを起こしやすくなっています。
若いから関係ないとはいえません。
10代や20代で妊娠経験が無くとも起こりえることなのです。
尿漏れの原因になりやすい病気
女性の場合の尿漏れは婦人科系の病気と関係のあることがあります。
30代から40代の女性では 子宮筋腫や子宮ガンなどの病気にかかる人の数は増加傾向にあるそうです。
子宮筋腫では筋腫の保有者は15パーセント以上という報告もあります。
子宮筋腫は大きくなってくると、 膀胱を圧迫して尿漏れや頻尿の原因になったりします。
手術せずに閉経まで様子を見るという人も多いですが、
尿漏れは何もしなくても症状が改善するというものではありません。
子宮筋腫があるとわかっていて、
尿漏れなどの症状がある人は一度お医者さんに相談してみることをお勧めします。
子宮癌になると話はやっかいです。
自覚症状がないのに、がんから少量の出血があったり 水っぽいおりものがでてくることがあります。
このおりものを尿と勘違いしてしまうことが多いそうです。
尿漏れというわけではないのですが、
自分で尿漏れだと勘違いしてそのままにしているケースもあるのです。
ガンが進行して子宮摘出手術を受けた後に 尿漏れが起こることもあります。
子宮と膀胱は近い位置にあるために、 手術することによって膀胱の位置に影響があったりすることがあるからです。
女性の尿漏れに多い原因
尿漏れになりやすいタイプというものがあります。
もちろん個人差もありますが、
原因となりやすい条件を挙げてみましょう。
年齢が40歳以上
出産経験がある
難産した経験がある
肥満気味である
運動をする習慣がない
便秘・膀胱炎になりやすい
筋力が弱いほうである
ストレスを感じることが多い
ダイエットをして大幅に体重を落としたことがある
あてはまることの多い人は注意しましょう。
尿漏れにはいろいろなタイプがありますが、
女性によく見られるのは
切迫性尿失禁・
腹圧性尿失禁・
機能性尿失禁があります。
切迫性尿失禁はおしっこに行きたいと感じたら トイレに行くまで我慢することができずに漏れてしまう症状です。
脳卒中などの後遺症として起こることが多く、 男性は前立腺肥大症が原因であることも多いのですが、
女性の場合は原因ははっきりとはしないケースも多いそうです。
腹圧性尿失禁は出産・老化・肥満・運動不足・慢性の便秘などによって起こります。
女性の尿漏れは上記2つの混合型であることが多いそうです。機能性尿失禁は運動機能に障害があったり、身体が不自由な高齢者に多いものです。
女性の尿漏れの治療と対策など
尿漏れの治療には 骨盤底再建術・膣形成術などの手術があります。
その他に高周波・レーザー治療や薬物療法があります。 また、腹圧性の尿失禁の症状の改善対策として 骨盤底筋を鍛える体操も効果があります。
椅子に座って・机などにもたれて・仰向けの姿勢でなどいずれでも行えるものです。
基本は足を肩幅程度に開く 座っているときにはお腹に力を入れないように。
机などにもたれているときには背筋を伸ばして。 仰向けに寝ている場合は膝を立てて。
それぞれ肛門と膣に力を入れるようにしてしめ、5秒数えます。 その後、力を抜いて2,30秒リラックスします。
おしっこをしているときに途中で止めてみましょう。
肛門と膣に力を入れる感じがわかりやすいと思います。
抗コリン剤やβ受容体刺激薬などの内服薬を用いた方法もあります。
症状が軽い場合は体操やサプリメント、漢方薬などで 症状の改善が期待できる場合もあります。
サプリメントや漢方薬は薬局でも入手できますが、 自分の尿漏れのタイプを知っているほうが効果のあるものを入手しやすいです。
恥ずかしがらずに医師の診断を受けましょう。
初めて病院に行く場合は婦人科や泌尿器科のどちらかを受診すればいいのです。
日常生活で気をつけることで尿漏れの予防になることもあります。
肥満気味や便秘気味の人は軽い運動から始めて、 体重のコントロールやお通じのリズムの改善を図りましょう。
そのためにも水分の摂取を控えることはせずに、 必要な水分量はきちんととるようにします。
コーヒーや紅茶・アルコール類の好きな人は、 採りすぎに注意してください。 尿の臭いやかぶれが気になる人は 尿漏れパッドを使って小まめに交換しましょう。
量にあわせていろいろなサイズを選ぶことができます。 使い方は生理用ナプキンと同じなので、女性には使いやすいと思います。
ストレスを感じやすい人は 気分転換を図れるような趣味や軽いストレッチ運動などを習慣にするなどして ストレス解消のリズムをつくるようにしましょう。