「アナフィラキシーショック」という言葉、
初めて耳にする方や、
聞いたことはあるけれど具体的に何かはわからない、
という方も多いのではと思います。
これは、ひどい時には死にも至る可能性があるアレルギー反応のことです。
ここでは、アナフィラキシーショックを予防し、
万が一発症してしまった場合に
対応するための基礎知識をご紹介したいと思います。
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アナフィラキシーショックとは?食べ物などの誘因とは?
日本アレルギー学会のガイドラインによると、
「アナフィラキシー」とはアレルゲンが体内に侵入することでからだの様々な箇所に、広範囲にアレルギー症状が発症し、
生命を脅かすほど重症化することがあるアレルギー反応のことです。
即時型のアレルギーを起こす食べ物全てにアナフィラキシーを起こす可能性がありますが、その原因として最も多いのは鶏卵です。
また、魚介類、ナッツ類、そばも、鶏卵と比べると
発症率は下がりますが、重症になる可能性が高いと言われています。
個人差も大きく、加工品をほんの少し食べただけでアナフィラキシーショックを起こす人もいれば、たくさん
食べた時だけ発症する人もいます。
そのほか、ペニシリンなどの薬剤、蜂などによる虫刺され、アレルギー注射、ラテックス(天然ゴム)なども原因となる可能性があります。
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アナフィラキシーショックの初期症状と経過
アナフィラキシーショックの初期症状には様々なものがありますが、
心臓の拍動が早くなって不安感が増したり興奮したりという呼吸器系の症状、
唇がしびれたりのどが喉がいがいがしたり、
くしゃみやまぶたのむくみなど粘膜の症状、
腹痛、下痢など消化器系の症状、
じんましん、皮膚が紅潮するなどの皮膚症状といった形で現れます。
急激な血圧の低下や、
意識がもうろうとしたり
呼吸困難という全身の症状として現れることもあります。
アナフィラキシー反応は、
アレルゲン物質を摂取・接触してから5分~10分以内に始まり、
1時間以上たって出現することはまれです。
急激に症状が進行するので、
対応は1分1秒を争います。
次に、アナフィラキシーショックが起こった時の対応を見ていきたいと思います。
アナフィラキシーショックへの対応
アナフィラキシーの症状を抑える薬として
速効性があるのがアドレナリンの筋肉注射です。
その他、じんましんやかゆみ、鼻水を押さえるための抗ヒスタミン薬や、
後から出てくる症状を予防するためのステロイド薬などの飲み薬を併用する場合もあります。
一度アナフィラキシーショックを起こしたことがある場合は、
緊急時に備えてアドレナリン自己注射薬を携帯しておくとよいでしょう。
(処方には専門の医師の診断が必要。)
自分でできる応急対応として、
まず、食べ物の場合は口内を水でゆすぎ、
手でさわったりした場合は水でしっかり洗い流しましょう。
蜂に刺されて毒針が残っている場合には、
無理して取り除いたりせず、
すぐに最寄の医療機関に行って医師による適切な処置を受けるようにしましょう。
自分やご家族、お子様などがある食べ物で
アレルギーを起こす可能性があるならば、
そのことを周りの人に伝えて知ってもらうことがとても大事です。
避けられない場合もありますが、
できる限り自己予防し、
さらに周りの方々の協力も得て、
アナフィラキシーショックが起こらないようにしていきましょう。