冬至と言えば、かぼちゃを食べて柚子湯に入る日、
という人は多いことでしょう。
では、なぜかぼちゃで柚子湯なのでしょう?
当たり前に風習に則っていたけど、
実はよく知らないかもしれない「冬至」について、
詳しく見ていきましょう!
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冬至とはどんな日?
二十四節気において12の中気の一つである冬至は、
夏至と合わせて特に重要な位置づけであるとされています。
冬至とは北半球において、太陽の位置が一番低くなり、
日の出から日没までの時間が1年で一番短くなる日です。
つまり、夜がもっとも長い日とも言えます。
ですから、昔は「死に一番近い日」とも言われていました。
ですが、一方で、この日を境にまた日が伸びていきます。
そのため、太陽が生まれ変わる日と捉えて、
陽気の回復や再生を願う日としてきた地域も多くあります。
日本や中国も同様に、太陽の力が蘇ってくると考え、
冬至は運が上昇してくる日としてしているのです。
ちなみに、クリスマスも冬至が転じたものだという話もあるそうです。
太陽復活の祝祭とキリストの生誕が結びつき、
その年の冬至であった12月25日がキリストの降臨日とされたという説があります。
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冬にかぼちゃを食べる訳
冬至は、先ほど紹介した通り、
一年で昼間が最も短く、
夜の時間がである時間が最も長いという日です。
そのため、冬至を「死に一番近い日」と考えていた昔の人々は、
厄払いとして、栄養のあるものを食べ、
無病息災を願ってきました。
それが、現在でも冬至にはかぼちゃを食べるという風習として続いているのです。
では、冬至の厄払いがかぼちゃを食べることだったのでしょうか?
冬至には「運盛り」と言って「ん」のつくものを食べると良いとされ、縁起を担いできました。
また、「いろはにほへと」の最後は「ん」です。
このことから、「ん」には「陰が極まり再び陽にかえる」という願いも兼ねていったようです。
かぼちゃは「南瓜(なんきん)」と言いますね。
「南瓜」はその音から運盛りを、そしてその漢字から南(陽)を連想させるため、冬至に食べられるようになったと言われています。
寒い冬の時期に栄養価の高いかぼちゃは風邪予防にも最適です。
かぼちゃは旬の夏から冬まで長期保存可能なことから、
そこに霊力が宿っていると考えられ、
よりその効果が高いとされていた、というのも理由のようです。
地域によって変わる冬至の風習
かぼちゃを食べる以外にも、冬至の風習はあります。
冬至の行事食、というと、
小豆粥やいとこ煮、
地域によってはこんにゃくを食べるところもあるようです。
小豆粥は、小豆が邪気を払うとされていることに由来しています。
いとこ煮は、小豆かぼちゃとも呼ばれ、
その名の通り小豆とかぼちゃの煮物です。
その作り方が、小豆という硬い食材をおいおい(甥)いれて、
めいめい(姪)炊いたことから、
いとこ煮と呼ばれるようになったそうです。
冬至にこんにゃくを食べるのは、「砂おろし」と言って、
こんにゃくが体にたまった砂を体から排出するとされていました。
昔は、節分や大晦日に厄払いのように捉え、こんにゃくを食べる風習が冬至にも行われるようになったのではと考えられています。
特別に「冬至のこんにゃく料理」としてのレシピがあるわけではないようで、
各家庭でそれぞれの料理を食べるようです。
食べる以外には、柚子湯もありますね。
冬至に柚子湯に入るのは、ゆずが「融通」に音が似ていて、
冬至は「湯治」に掛け、健康を願うもの、だという説があります。
この説以外にも、香りが強い柚子で邪気を払い、
1年の節目にはお風呂に入って身を清めるという意味もあっただろうという説もあります。