時候の挨拶には実に様々なものがあります。
春夏秋冬の四季のなかで、
さらに細やかに特定の期間をあらわした季節の挨拶が
時候の挨拶ですが
「残炎の候」という時候の挨拶はご存知でしょうか。
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残炎の候の読み方と意味
「残炎の候」の読み方は（ザンエンノコウ）です。
「残炎」とは、秋に残る暑さ。残暑。
といった意味があるそうです。
季節は秋となっても、
まだまだ夏の燃えるような暑さが残っている時期に
使われる時候の挨拶となります。
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残炎の候の時期は？いつ？
「残炎の候」という時候の挨拶が、
何月を表している季語かといいますと、８月です。
使われる時期はいつかといいますと、
立秋（８月８日頃）を過ぎたあたりから８月下旬頃の
「残暑見舞い」を出す頃に使われる
時候の挨拶といわれています。
一般的に「暑中見舞い」が出される時期は、
梅雨明けあたりから、
立秋（８月８日頃）までの間といわれています。
そして立秋を過ぎると
この「暑中見舞い」は「残暑見舞い」へと変わります。
通常「残暑見舞い」は、
立秋から８月下旬くらいまでの間に出します。
９月に入っても口頭でしたら
「連日の残暑が厳しいですね」
といった挨拶はよく聞かれるかと思います。
「残暑」には、立秋以降９月はじめごろまで残る暑さ、
という意味があるそうです。
夏のこの時期に使われる時候の挨拶は、
立秋（８月８日頃）を境に
「夏」～立秋 以前
「秋」～立秋 以後
と季節が分かれますのでご注意ください。
実生活の上で立秋の頃といえば夏の盛りです。
暦と上と実生活での季節感の違いは、
多少なりともあるようです。
残炎の候の使い方・季節の挨拶を含む拝啓から始まる例文と結び
「残炎の候」の使い方を例文でご紹介したいと思います。
文章は（頭語）から始まり（結語）で結びます。
時候の挨拶は、
手紙の前文で（頭語）に続く書き出しの言葉です。
よく知られている（頭語）で「前略」がありますが、
これは前文を略す、という意味です。
前文である時候の挨拶を使ったときの頭語としては
使用しませんのでご注意ください。
また、ごく親しい間柄でしたら
（頭語）や（結語）をあえて略すことで
親密さを表現することもあるようです。
◇拝啓 残炎の候、立秋を過ぎてもなお暑さの続く毎日、
お変わりなくお過ごしでしょうか。
◇拝啓 残炎の候、残暑厳しい日々が続いておりますが、
お元気でお過ごしでしょうか。
◇拝啓 残炎の候、暦の上では秋を迎えましたが、
残暑厳しい日々が続いております。
◇拝啓 残炎の候、皆様におかれましては
ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
文章の結びには、
相手の体調や様子を気遣った言葉を使います。
今回は（頭語）が「拝啓」で始まりましたので
（結語）は「敬具」となります。
◇残暑厳しき折、ご自愛下さいませ。 敬具
◇季節の変わり目、
風邪など召しませぬようお気を付け下さい。 敬具
◇皆様のご健勝をお祈り申し上げます。 敬具
うっかり暑中見舞いを出し忘れてしまった時、
「残炎の候」を使った残暑見舞いなど
出されてみてはいかがでしょうか。
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