2014年に発生した長野県と岐阜県の県境の御嶽山の噴火には驚きました。
噴火寸前まで噴火の前兆はなかったと言われ、噴火レベル1の段階で噴火し、1991年の雲仙普賢岳以来の戦後最大となる58名もの犠牲者を出しました。
近年は登山ブームで、個人、グループ、家族連れなど多くの人が登山することが多くなり、噴火情報提供の不足や絶景を眺め昼食をとろうとした人々が頂上付近に集結していた、登山者の避難の遅れ、避難小屋・シェルターの不備など被害を拡大する複数の要因が重なったものでした。
結果的に噴火レベル1ということで、多くの関係者が噴火に対して危機管理が不足していたと思われます。
その噴火警戒レベルについて解説いたします。
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噴火警戒レベルとは?
噴火警戒レベルとは、火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲と防災機関や住民等のとるべき防災対応を5段階に区分して、気象庁が発表する指標です。
気象庁が常時観測を行っている対象火山は47山あり、火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山とされています。
これらの火山の中で地元の火山防災協議会を通じて、対象市町村と都道府県の地域防災計画に火山活動のレベルに応じた避難開始時期と範囲が定められた火山から、順次噴火警戒レベルの発表が開始されています。
2016年3月現在の噴火警戒レベル導入火山は、北海道から鹿児島県まで35山あります。(詳細の火山名は気象庁HPでご確認ください。)
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噴火警戒レベルの基準は?入山規制、火口周辺規制はどのレベル?
噴火警戒レベルの判定基準は、それぞれの火山の火山活動に基づいてレベル1からレベル5(避難)で公表されています。
レベル1(活火山であることに留意)・・・種別:予報・・・対象範囲:火口内等・・・火山活動:火山活動は静穏。火山活動の状態によって火口内で火山灰の噴出等が見られる・・・住民の行動:通常生活・・・登山者・入山者への対応:特になし(状況に応じて火口内への立入規制等)
レベル2(火口周辺規制)・・・種別:警報・・・対象範囲:火口周辺・・・火山活動:火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生が予想される・・・住民の行動:通常生活・・・登山者・入山者への対応:火口周辺への立入規制等
レベル3(入山規制)・・・種別:警報・・・対象範囲:火口から居住地域近くまで・・・火山活動・居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生が予想される・・・住民の行動:通常生活。状況に応じて要配慮者の避難準備等・・・登山者・入山者への対応:登山禁止、入山
規制等、危険な地域への立入規制等
レベル4(避難準備)・・・種別:特別警報・・・対象範囲:居住地域及びそれより火口側・・・火山活動:居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される・・・住民の行動:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要
レベル5(避難)・・・種別:特別警報・・・対象範囲:居住地域及びそれより火口側・・・火山活動:居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある・・・住民等の行動:危険な居住地域からの避難等が必要
避難方法、とるべき防災行動は?
噴火警戒レベルが運用されている火山では、平常時のうちに地元の火山防災協議会で合意された避難計画等に基づき、気象庁は噴火警戒レベルを付して噴火警報・予報を発表し、地元の市町村等の防災機関は入山規制や避難勧告等の防災対応を実施します。
避難方法
・市町村長から避難勧告又は避難指示が出されたらときは、速やかに避難します。
・避難するときはお隣やご近所に声をかけ合いましょう。戸締りや火の始末を行いましょう。
・県や市町村、警察、消防等の正しい情報をつかみ、デマ、うわさには惑わされないようにしましょう。
・緊急時は避難を最優先にしましょう。
防災行動
・火山灰が屋根にたくさん積もったら、家屋がつぶれないよう火山灰を撤去しましょう。
・非常持出品(頭巾、ゴーグル、マスク、手袋、ライト、ラジオ、常備薬、カッパ・傘、タオル、ちり紙、非常食、飲料水、貴重品・現金など)を常に用意しときましょう。
・日頃から気象庁の火山情報や報道機関の防災情報に関心を持ちましょう。
・避難場所、避難路の確認をして、家族やご近所で避難の仕方を話合っておきましょう。
・防災訓練に参加しましょう。
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