前頭側頭型認知症とは?症状や原因・特徴!治療や患者への対応は?

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認知症

前頭側頭型認知症は、ピック病とも呼ばれてきました。
1892年プラハ大学のアーノルド・ピック医師が、
はじめてこの病気を報告したことが名前の由来です。

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前頭側頭型認知症とは?

認知症の中でも若年での発病が多く、
若年性認知症の中では、
血管性認知症、
アルツハイマー病の次に多い病気と言われています。

前頭側頭型認知症の症状や原因・特徴は?

前頭側頭型認知症の原因については、
現在解明されていません。

分かっていることは、
いくつかのタイプに分けることができる、
ということです。

 ・神経細胞の中に、ピック球と呼ばれる異常構造物が溜まる 
 ・TDP-43タンパク質が溜まる

このように異なる原因が考えられており、
長年まとめてピック病とよばれてきましたが
前頭側頭型認知症とピック病の違いは、
ピック球が確認できたかどうかです。

最近では、ピック球が確認できたタイプに限り
ピック病と呼ぶ傾向があるそうです。

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前頭側頭型認知症の特徴

病気の特徴としては、
大脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することです。

前頭側頭型認知症の主な症状は、

 ・常同行動
 同じ言葉や行動を繰り返す。
 脈絡のない言葉を繰り返し発したり、
 時間に執着して同じ時刻になると、
 部屋を歩き回るなどの行動をとる。
 同じものを作り続けたり食べ続ける。
 太ももや膝を手で摩り続けたり、
 手を叩き続ける。    

 ・集中力や自発性の低下
 落ち着きがなく行為が続かない。
 自分勝手に去っていく。

 ・人格障害、自制力の低下、非社会的行動、
 異常行動
 思いのままに行動したり、
 暴力行為や窃盗を働き、過食や異食、収集、徘徊、
 他人の家に勝手に入るなどの非常識な行動をとる。
 他者を馬鹿にした態度をとる。

 ・語義性失語症や進行性の失語症
 物の名前や使い方は分からないのに、 道具として使えている。

 ・感情や情動の変化
 感情の変化が乏しい。
 機嫌が良いかと思えば急に不機嫌となる。
 喜怒哀楽などの表情を表さなくなる。

などがあります。

前頭側頭型認知症の初期段階では、
人格と行動に変化が現れます。

他の人に対する配慮が出来なくなり、
毎日同じ時間に決まった行動をとり、
思ったままに行動するなどです。

万引きなどの軽犯罪を起こすこともあります。

そして、
行動を制止されると興奮しだして暴力的になります。

温和だった性格が急に暴力的になったり、
暴言を吐いたりしますが
物忘れなどの症状がないので、
躁鬱病や統合失調症などの
精神疾患と誤解されやすくなります

病気が進行するに従い、
意欲や活動が低下していきます。

初期にみられる行動や暴力行為はなくなっていきます。

自分自身や社会に対する関心が低下して、
身だしなみにも無頓着となります。

さらに進行が進むと、
言葉を話さなくなり、
最終的には寝たきりの状態となります。

前頭側頭型認知症患者の予後は良くありません

発症した場合、
余命6~8年の寿命だと言われています。

完治することがない進行する疾患なのです。

前頭側頭型認知症の治療や患者への対応は?

言葉や行動を繰り返しますが、
これを止めさせようとすると怒りだしたり、
暴力的になったりします。

周囲の影響を受けやすい為、
騒がしい場所では落ち着きがなくなり
イラつく場合があります。

イライラしだした場合は、
その原因となるものを探してみてください。

伝えたいことがある時には、
言葉を理解しにくい場合がありますので
身振り手振りなど交えながら
ゆっくりと笑顔で優しく対応してみてください。

落ち着きが無くなり、
どこかへ行こうとする時には呼び止めて、
違う話をはじめてみてください。

どこかへ行こうとする事を忘れて立ち止まり、
話を聞いてくれる場合があります。

非社会的行動や異常行動は、
怒ったり、戒めても変わることはありません。

最終的な重度の段階となると
基本的な身の回りのことができなくなり、
看護や介護が必要となります。

室内で放尿や放便を行ない、
生肉や冷凍品をそのまま口にすることもあります。

時には、
紙や洋服、石鹸など食品以外のものを食べる
異食行為が始まります。

自身の指先の皮膚を噛む行為で、
出血したりもします。

そして他者を無視して交流を避けます。

会話をすることもなく、
声を出すことすらしなくなります。

次第に全身の筋肉が硬くなり、
寝たきりとなります。

食物の呑みこみも悪くなるので、
嚥下性肺炎が悪化し死に至ることもあります。

介護する側は決して抱え込まずに、
周囲へ相談することが重要となります。

今現在、
前頭側頭型認知症の効果的な治療法はありせん。

行動症状を軽減できる、
抗うつ薬や抗精神病薬が処方されることが一般的です。

しかし最近になり、
結核の治療に使われているサイクロセリンという治療薬が
前頭側頭型認知症にも有効であることが、
マウス実験により確認されました。

前頭側頭型認知症の治療につながる可能性があると
今後の開発に大きな期待が寄せらています。

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