「あれ、なんで今…？」
大事なプレゼンの資料をめくるとき。 好きなカフェで、やっと一息ついたとき。 スマホを操作している、何気ない瞬間。
ふと、自分の手が微かに震えていることに気づいて、ドキッとしたことはありませんか？
「まだ20代なのに、どうしてだろう」 「もしかして、何か変な病気なのかな…」
周りの人に気づかれたらどうしよう、と焦りや不安を感じてしまいますよね。 でも、安心してください。 その悩み、あなただけではありません。
実は、20代で同じように手の震えに悩んでいる人は少なくないんです。
そして、その原因の多くは、あなたが感じている「ストレス」と深く関係している可能性があります。
この記事では、
- なぜ20代で手が震えるのか、その原因
- ストレス以外に考えられる病気の可能性
- 病院に行くべきかの判断基準
- 今日からすぐに実践できるセルフケア方法
を、一緒に見ていきたいと思います。 一人で抱え込まず、まずは自分の体のサインを正しく理解することから始めましょう。
なぜ？20代で「手の震え」が起こる主な原因
「若いから大丈夫」と思っていても、私たちの体は正直です。 特に20代は、仕事や人間関係、ライフスタイルの変化が大きく、知らず知らずのうちに心身が悲鳴を上げていることがあります。
1. 精神的なストレス・緊張・不安
最も大きな原因として考えられるのが、精神的なストレスです。
- 仕事のプレッシャー
- 人間関係の悩み
- 将来への不安
こういった強いストレスや緊張状態が続くと、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが乱れてしまいます。
交感神経が過剰に働くと、心拍数や血圧が上がり、筋肉がこわばって、意思とは関係なく手がブルブルと震える「振戦（しんせん）」という症状が現れやすくなるのです。 プレゼン前など、特定の場面でだけ震えるのは、この仕組みが関係しています。
2. 生活習慣の乱れ
日々の何気ない習慣が、震えを引き起こしている可能性もあります。
- カフェインの過剰摂取: コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインには、交感神経を興奮させる作用があります。1日の摂取目安量（約400mg、コーヒー3〜4杯分）を超えると、震えや動悸の原因になることがあります。
- 睡眠不足: 質の悪い睡眠や慢性的な寝不足は、自律神経の乱れに直結します。最低でも6〜7時間は睡眠時間を確保したいところです。
- アルコールの影響: 飲酒中や、アルコールが抜けるタイミングで手が震えることがあります。
- 栄養の偏り: ビタミンB群やマグネシウムは、神経の働きを正常に保つために不可欠な栄養素です。外食やコンビニ食が中心の生活で不足すると、震えの一因になることも。
ただのストレス？見過ごせない手の震えと病気の可能性
ほとんどの場合はストレスや生活習慣が原因ですが、中には病気が隠れているケースもあります。 過度に心配する必要はありませんが、知識として知っておくことが大切です。
【こんな症状があったら注意！セルフチェックリスト】
- □ 手の震えが、どんどんひどくなっている
- □ 安静にしている時（力を抜いている時）でも震える
- □ 動悸、息切れ、多汗、体重の減少など、他の症状もある
- □ 歩きにくい、動作が遅くなったと感じる
- □ 手足がしびれる、力が入らない
1つでも当てはまる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
考えられる病気
- 本態性振戦（ほんたいせいしんせん）: 病気の中で最も多い原因です。特に原因がないのに、何かをしようとした時（字を書く、物を持つなど）に震えが起こります。若い人にも発症し、遺伝的な要因も関係すると言われています。
- 甲状腺機能亢進症（バセドウ病など）: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、新陳代謝が活発になりすぎるため、手の震えの他に、動悸、多汗、体重減少、眼球突出などの症状が見られます。特に20〜30代の女性に多い病気です。
- 低血糖: 食事を抜いたり、糖質の多い食事で血糖値が乱高下したりすると、一時的に低血糖状態になり、冷や汗や震えを引き起こすことがあります。
病院に行くべき？受診の目安と「何科」に行けばいい？
「病院に行った方がいいのかな…」と迷いますよね。 受診をおすすめする目安は、**「手の震えによって、日常生活や仕事に支障が出ているかどうか」**です。
もし病院へ行くなら、まずは**「神経内科」**を受診しましょう。 神経内科は、脳や脊髄、末梢神経、筋肉の病気を専門とする科で、震えの原因を正確に診断してくれます。
問診の際には、
- いつから震えるか
- どんな時に震えるか
- 他の症状はあるか
- 飲んでいる薬やサプリメント
などを具体的に伝えられるように、メモしておくとスムーズです。
病院に行く前に試したい！今日からできるセルフケア5選
受診を考える前に、まずは自分でできることから試してみませんか？ ストレスや生活習慣が原因の震えは、セルフケアで改善することも多いです。
1. 「4-7-8呼吸法」で自律神経を整える
緊張や不安を感じた時にすぐできる、リラックス法です。
- 口から完全に息を吐き切ります。
- 鼻から4秒かけて、静かに息を吸い込みます。
- 息を7秒間止めます。
- 口から8秒かけて、ゆっくりと息を吐き出します。
- これを3〜4回繰り返します。
副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
2. カフェインとアルコールを少しお休みする
毎日のコーヒーやエナジードリンクが習慣になっているなら、1〜2週間ほど量を減らしたり、デカフェ（カフェインレス）に変えたりしてみましょう。 これだけで、震えがピタリと治まるケースも少なくありません。
3. 「スマホ断ち」で質の良い睡眠を
寝る前の1時間は、スマホやPCの画面を見るのをやめてみましょう。 ブルーライトは脳を覚醒させ、睡眠の質を低下させます。 代わりに、軽いストレッチをしたり、好きな音楽を聴いたりして、心と体をリラックスモードに切り替えるのがおすすめです。
4. 神経をサポートする食事を意識する
コンビニで選ぶものを少し変えるだけでも、食事は改善できます。
- ビタミンB1: 豚肉、玄米、大豆製品
- マグネシウム: ほうれん草、アーモンド、バナナ、海藻類
- トリプトファン（幸せホルモンの材料）: 乳製品、赤身魚、ナッツ類
お惣菜でほうれん草のおひたしを追加したり、間食をナッツに変えたりするだけでも効果的です。
5. 「合谷（ごうこく）」のツボを押す
合谷は、手の甲にある万能のツボで、自律神経の乱れやストレス緩和に効果があると言われています。
場所: 親指と人差し指の骨が交わる付け根の、少し人差し指側にあるくぼみ。 押し方: 反対の手の親指で、気持ちいいと感じるくらいの強さで5秒ほど押し、ゆっくり離します。これを数回繰り返しましょう。 仕事の合間にも手軽にできますね。
まとめ：あなたの体からの大切なサイン、見逃さないで
20代で経験する手の震えは、多くの場合、あなたの心が「少し疲れているよ」「休んでね」と送っている大切なサインです。
「気のせいだ」と無視したり、「自分は弱いんだ」と責めたりしないでください。 まずはこの記事で紹介したセルフケアを、できそうなものから一つでも試してみてください。
それでも改善しなかったり、不安が強かったりするなら、決して一人で抱え込まず、専門医に相談する勇気を持ってくださいね。 あなたの心と体が、また穏やかな毎日を取り戻せることを心から願っています。