日本における死因第三位の脳卒中には脳梗塞・脳出血・くも膜下出血があります。
そのなかで脳梗塞は近年増加傾向にあり、脳梗塞を発症すると命を取り留めても、多くの場合麻痺などの後遺症が残ってしまいます。
脳梗塞の発症には前兆があることが多く、注意すると日常生活でも気づくことができます。
脳梗塞の危険信号と言われる前兆について解説いたします。
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脳梗塞とは?前兆は?なにをチェックするの?
脳梗塞とは、何らかの原因で脳に栄養を送る動脈の閉塞、または狭窄のため脳虚血を来たし、脳組織が酸素欠乏や栄養不足のため、壊死または壊死に近い状態になる事を言います。
そのため様々な後遺症を起こし死亡率も高い疾病です。
脳梗塞の予防のために、日頃から前兆について次のリストに該当するかチェックをしましょう。
①右側か左側の片方の手足に麻痺や痺れが起きることがある。手だけ足だけの場合もある。
②身体のバランスが取れない、ふらふらしてつまづいたり、目まいを起こすことがある。
③前触れ無く頭痛、肩こりなどがある。
④一日中眠気があり、生あくびがでる。いびきが異常に大きい。
⑤物忘れが多くなった。
⑥顔面の筋肉に麻痺が起き片方だけ歪んだり、口からよだれがでることがある。
⑦ろれつが回らなくなり、言葉が出なかったりする。
⑧片方の目が見えなくなったり、視野の片ほうだけが欠ける症状がでる。
⑨高血圧、高脂血症、糖尿病がある。血圧検査に異常がある。
⑩吐き気や嘔吐がある。
⑪思ったように文字が書けなくなった。
上記の項目で複数が該当したら要注意です。
これらの前兆は、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症、心臓病など生活習慣病や高齢者に突然発生する傾向があります。
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脳梗塞の前兆があったらどうする?
前兆は一過性脳虚血発作という脳の一部の血流が一時的に悪くなることで、半身の運動麻痺などの症状が現れます。
血栓はすぐに溶けて血流が元に戻るので、数分から数十分遅くても24時間以内には完全に消えてしまいます。
しかし一過性脳虚血発作を治療しないままだと、三カ月以内に15~20%の方が脳梗塞を発症し、そのうち約50%の方は48時間以内から数日以内に脳梗塞になります。
一過性脳虚血発作を経験しないまま、いきなり脳梗塞になる方もあり、前兆がある場合はまだ早期受診、早期治療が可能です。
すぐに自分で受診先を調べるか、かかりつけ医に相談して専門病院に受診することが必要です。
脳梗塞の治療はどうするの?
問診や診察で脳梗塞の疑いがある場合の検査は、頭部MRI検査、CT検査、頸部血管超音波検査、心電図検査、経胸壁心臓超音波検査等があります。
その結果脳梗塞の場合や疑いのある場合の治療は、医師の治療方針により決定されます。
薬物治療や手術を行い、後遺症の軽減のためリハビリテーションに取り組みます。
薬物治療は血栓を溶かす抗血栓薬による治療と動脈硬化の原因となる生活習慣病の治療が中心です。
手術には、動脈硬化で厚くなった内膜をくり抜く頸動脈内膜切除術や頸動脈の狭窄部分にステント(金属性の網状の筒)を留置して血管を広げる頸動脈ステント留置術、閉塞、狭窄した血管を他の血管に繋ぐバイパス手術などが選択されます。
後遺症が認められる場合、軽重を問わず機能回復のためにリハビリテーションを行います。
退院した後は通所施設や自宅でもリハビリテーションを継続して、処方された薬を服用し再発防止に努めます。
脳梗塞は生活習慣の改善、治療すべき生活習慣病の早期治癒、日常の中での前兆にいち早く気づくことで、重症化を未然に防ぐことが可能です。
このぐらいなんともないと考えないで、ちょっと異常を感じたら専門医師に相談しましょう。