「片方の目の奥が痛い」
「頭の片側だけが痛む」、
というような症状を感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは、「群発頭痛」かもしれません。
あまり聞き慣れない「群発頭痛」ですが、どういうものなのでしょうか?
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群発頭痛の症状とその特徴
群発頭痛の症状は、必ず頭痛が片側に起こります。
頭痛とともに、片方の目の周囲や奥にも痛みを感じます。
その痛みは、「目がえぐられるような」「キリで刺されるような」と表現されるほどの激しいものです。
片頭痛と言えば、横たわっていると落ち着く場合が多い中、
群発頭痛は、じっとしていられず部屋をうろうろしたり、のた打ち回るような行動をとってしまうと言われています。
また、群発頭痛の特徴としては、1~2カ月の間に集中してほぼ毎日、同じような時刻に痛み出します。
その時期が過ぎると、その後半年から2~3年たったころに、また同じような頭痛に襲われます。
このようにある期間に集中して頭痛が起こるため「群発頭痛」と呼ばれています。
痛み出す時刻は、明け方が多く、痛みで起きてしまうため睡眠不足も深刻な問題に発展しがちです。
多くは、1日に1、2回ですが、多い人では1日に8回ほども起こることがあります。
その痛みは1回10分~1時間、長い時には3時間ほど持続します。
群発頭痛の発症は男性が多く、女性の3倍にものぼるという報告があります。
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群発頭痛の頭痛以外にもあるこんな症状
群発頭痛は頭痛や、目の奥・周囲いの激しい痛みの他に、
涙や鼻水が出たり、鼻づまりといった症状を伴うこともあります。
これらの症状は、群発頭痛は目の後ろあたりにある太い血管が広がり、その血管の周囲の神経が刺激されることで痛みを引き起こしています。
この血管の周りにある自律神経にも影響しています。
そのためこの自律神経が涙腺や瞳孔の調整を行う機能を担っているため、
涙や鼻水、鼻づまりに加えて、片方の目の瞳孔が小さくなって瞳孔の大きさに左右差が生まれたり、
目が充血したり、まぶたが腫れ垂れてくる、
というような自律神経症状も起こるのです。
痛む場所が、頭の片側や目以外、上あごのあたりまで拡がってくると、歯が痛むという場合もあるそうです。
このように症状が風邪や歯痛に似ているため、罹るお医者さんの特定が難しいとも言えます。
群発頭痛の原因は?対処と治療方法
群発頭痛は慢性頭痛の一つです。
慢性頭痛には、ほかに片頭痛と緊張型頭痛があります。
緊張型頭痛は、ストレスによって引き起こされると考えられていますが、
実は、群発頭痛の仕組みは明らかにされていません。
先ほど紹介した通り、群発頭痛の原因には、頭部の血管の拡張があると考えられています。
ですが、一定期間ほぼ決まった時間に起こり、痛みの持続時間がほぼ一定であることから、群発頭痛の原因は脳と体内時計に関連があるのでは、と言われています。
アルコールやタバコや気圧の急激な変化が引き金となることも多いようです。
特に、頭痛が起こっている「群発期」の飲酒は、ほぼ100%頭痛を引き起こします。
ですから、飲酒・喫煙は避けましょう。
他にも、群発頭痛になりそうだと思ったら、深呼吸することもおすすめです。
新鮮な空気を体内に取り込むと、頭痛が起こるのを抑えてくれます。
痛みを感じてからの対処方法としては、患部を冷やすのも有効です。
そのため、痛む部分を冷やすことで活発に働いている脳を鎮静させ、痛みを和らげると考えられます。
群発頭痛の治療は、「純酸素吸入法」と「薬物療法」が主流です。
群発頭痛の激痛は、鎮痛薬ではほとんど対処できません。
群発頭痛に効果があるのは、「純酸素吸入法」と言われ、
純度100%の酸素を大型酸素ボンベからマスクを通して毎分7リットルを15分~20分間吸入する治療法です。
この方法は即効性があり、吸入から5分ほどで痛みが軽減します。
ただ、これだけの量の酸素を必要とするとなると、医療用酸素ボンベが必要です。
この対症法を取り入れる場合は、主治医に取り扱い業者から酸素ボンベやマスクの貸し出しを受けられうよう相談しましょう。
もう一つの治療方法「薬物療法」では、群発期に、エルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤を就寝前に服用することで、明け方の睡眠中に起こる頭痛を予防が期待できます。
お医者さんによっては、カルシウム拮抗薬や副腎皮質ステロイドなどが処方されることもあります。
発作時には、スマトリプタン皮下注射がが有効です。
スマトリプタン点鼻液やトリプタン系薬剤の内服薬にも有効性が認められています。