上生菓子は、和菓子の中でも最上級のものを指し、季節にふさわしい山水や花鳥などのデザインがとても美しいですね。
古くから日本人に親しまれてきた、代表的なお菓子です。
腕自慢の和菓子職人が、伝統の技を駆使して作り上げる、魅力溢れる上生菓子についてご紹介します。
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上生菓子とはどんな和菓子なの?どんな名前があるの?
上生菓子の発祥は、江戸時代中期頃の京都であり、そこから全国に広がっていったと言われています。
祝儀や茶席などで使うことも多く、一つ一つ丁重に手づくりで作り上げ、形や色彩、香り、食感などのほか、季節の風景、風物詩も取り入れて表現しています。
材料に使用するのは、白餡に砂糖、山の芋、みじん粉などを加えて練って着色した錬切餡(ねりきりあん)が多いですね。
また上生菓子には、最中や羊羹などという名前以外に、「菓銘」という別名が付けられています。
菓銘は、源氏物語や古今和歌集、歴史、出来事、四季の自然などから引用や連想され、例えば「ちはやふる 神代もきかず竜田川 からくれないに水くくるとは」(在原業平)から、紅葉をかたどった生菓子に「竜田」という菓銘を付けています。
菓銘には、聞いただけで形が想像できるものや、名前だけではどんなものかわからないものもあります。
昔から粋な菓銘をつけるのが流行ったこともあり、和菓子職人の思いが込められているような菓銘が面白いですね。
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季節を表す上生菓子は、どんなものがあるの?
上生菓子は一年中を通じて作られていますが、その時々の季節に合わせたものも、同じように各和菓子屋さんで販売されています。
例として、愛知県半田市松華堂の四季を表す上生菓子の一部をご紹介します。
○春・・・桜餅(春の定番です。
道明寺製と焼皮製があります)
・胡蝶(春に飛び回る黄色い蝶々を表現)
・桜花(桜の花をかたどり、もちもちした食感です)
○夏・・・虫の声(葛饅頭で、ぷるんとした食感です)
・彩清水(半透明の生地に3色の餡が入っています)
・薔薇(米粉を使った練皮で薔薇の花を表現)
○秋・・・月うさぎ(外郎でできています。兎の絵が可愛いです)
・乙女菊(外郎の生地と白餡で菊を表現)
・紅葉きんとん(練薯蕷製で紅葉色を表現、すっと溶ける口どけです)
○冬・・・玉椿(冬に咲く花を表現しました)
・雪だるま(羽二重餅で作った雪だるまが可愛いです)
・うぐいす餅(羽二重餅とうぐいす色のきな粉がかかっています)
上生菓子で有名なものは何?おすすめは?
紫陽花や桔梗は、多くの和菓子屋で作られている、季節の代表的な上生菓子です。
・紫陽花・・・初夏の花として、たくさんの花が密集して咲きます。
紫陽花の花を色付けした寒天で表現することが多いですね。
見た目も涼し気な形が見事です。
・桔梗・・・秋の七草桔梗の気品ある紫色が特徴ですね。
練り切りで桔梗の花をかたどったものが定番です。
上生菓子は品質にこだわりがあり、手づくりで数に限りがあるのがほとんどなので、予約をすることをおすすめします。
祝席で食べるのも良し、茶席でお茶のお供でも良し、上品な甘味ものを食べたい時に是非日本伝統の上生菓子を味わってください。
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