四季がはっきりしている日本では、
お手紙などの文章においても季節感を大切にします。
時候の挨拶は、その最たる文化・習慣のひとつと言えるでしょう。
日本人なら、きちんと時候の挨拶を使いたい!という思いは多くの人が持っているのではないでしょうか?
今回は、四季の中でも冬に使われる時候の挨拶から「晩冬の候」を取り上げます。
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「晩冬の候」の時期はいつからいつまで?
では、「晩冬の候」とはいつからいつまでを指すのでしょうか?
「晩冬」というくらいですから、冬の終わり頃というのは想像に難くありませんね!
冬の終わりとはいつを指すのか、ここが問題です。
暦の上では、“春”は立春を迎えて以降を指します。
ですから、立春の前日までは“冬”だということになります。
「晩冬の候」は、暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の前半である小寒から、立春の前日までを指します。
ちなみに2016年の小寒は1月6日、
立春は2月4日です。
調べてみると「晩冬の候」を使うのは、
小寒から立春を少し過ぎた頃まで、
または2月~3月上旬としている記述も散見されます。
季語や歳時記と合わせて考えると、
小寒~立春を「晩冬」とするのが妥当のような気がします。
体感では、2月中は“晩冬”と言ってもいい気もします。
立春を過ぎたら、まだまだ寒いという場合には「余寒」、「春寒」や「向春」といった“春”の入った時候の挨拶が良いのではないでしょうか?
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晩冬の候の意味と読み方
1月から2月の始めの頃に使われる時候の挨拶である「晩冬の候」は、「ばんとうのこう」と読みます。
「晩冬」とは、読んで字の如く、冬の末という意味です。
「候」は、中国の昔の暦で1年の360日を72等分した単位です。
360日の72等分、つまり5日ほどの期間を指していましたが、現在では、「時期・季節」といった意味合いで用いられています。
ですから「晩冬の候」とは“冬の末の時期”という意味になります。
歳時記でいうと、晩冬は二十四節気に照らすと
「小寒-大寒-立春の前日まで」となります。
この小寒から立春までの30日間を寒の内といいます。
そして大寒は1年の内で一番寒い時季です。
つまり、晩冬はこの寒の内を意味することになりますね。
「晩冬の候」は1年の内で一番寒い時季に使う時候の挨拶ということですね!
晩冬の候を使った例文
ここでは、「晩冬の候」を使ったお手紙の例文をご紹介します。
“拝啓 晩冬の候 皆様風邪など召されずにお過ごしでしょうか。
お正月に帰省の際は、何から何までお世話になり、ありがとうございました。
無事に帰り着いたご報告とお礼が遅くなり申し訳ございません。
今回、お父様、お母様と楽しい時間を過ごさせていただき元気をもらいました。
また、子どもたちにはお年玉までいただき、ありがとうございます。
子供たちは、いただいたお年玉で何を買おうかと悩みながらも嬉しそうにしております。
まだ厳しい寒さが続くようです。お父様、お母様もお身体を大切にお過ごしくださいませ。 敬具”
今回は、義理の両親へのお礼状の例文を挙げてみました。
「晩冬の候」が1年で一番寒い時季に使う時候の挨拶です。
結びの文にもぜひ、時候の挨拶を受けて相手の健康や体調を気遣う文を添えたいところです。
ここでは「まだ厳しい寒さが続くようです。
お父様、お母様もお身体を大切にお過ごしくださいませ。」
としてみました。
寒い季節に心のこもったお手紙は気持ちを温かくしてくれるはずです。
「晩冬の候」を使って、大切な人、お世話になった人へお手紙を書いてみてはいかがでしょうか?