手紙や文章の冒頭で見かける時候の挨拶は
春夏秋冬のなかでも、
さらに細やかな時期を表現した季節の挨拶です。
数多くある時候の挨拶のなかで「暮夏の候」という
時候の挨拶を見かけたことはないでしょうか。
またどのような時期に使われる時候の挨拶なのか
ご存知でしょうか。
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暮夏の候の読み方と意味
「暮夏の候」の読み方は(ボカノコウ)です。
「暮」には「一つの時期が終わりになる。終わりの時期」
といった意味があるそうです。
つまり「暮夏」は、
夏という季節の終わりを表しているということになります。
夏も終わりに近づくと、
どこか寂しげな気持ちとなります。
どの季節の終わりも、
そのような名残惜しさと同時に
次に巡ってくる新しい季節への期待感が
込められているものではないでしょうか。
名残惜しく寂しいけれど嬉しい、
そんな相反する気持ちで、
心中は少々複雑かと思われます。
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暮夏の候の時期は?いつ?
「暮夏の候」という時候の挨拶が、
何月を表している季語かといいますと、8月となります。
使われる時期はいつかといいますと、
8月の中旬から8月下旬あたりに使われる
時候の挨拶となります。
一般的に、お盆あたりで使うのが適している
時候の挨拶ではないでしょうか。
この「暮夏の候」という時候の挨拶を使うのに、
明確な期間が決まっているわけではありません。
夏の終わりを感じ始める頃に使われる時候の挨拶なのです。
暮夏の候の使い方・季節の挨拶を含む拝啓から始まる例文と結び
時候の挨拶「暮夏の候」の使い方を
例文でご紹介したいと思います。
文章は(頭語)から始まり(結語)で結びます。
時候の挨拶は、
手紙の前文で(頭語)に続く書き出しの言葉です。
また、よく知られている(頭語)で「前略」がありますが、
これは前文を略す、という意味ですので
前文である時候の挨拶を使ったときの頭語としては
使用しませんのでご注意ください。
今回は(頭語)に「拝啓」を使います。
◇拝啓 暮夏の候 皆様におかれましては
ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
◇拝啓 暮夏の折 立秋とは名ばかりの暑さ続きの毎日ですが、
お変わりございませんか。
◇拝啓 暮夏の候 夕風に秋の訪れを感じるこの頃、
いかがお過ごしでしょうか。
◇拝啓 秋まだ遠く残暑厳しき日々が続いておりますが、
お元気でお過ごしでしょうか。
文章の結びには、相手の体調や健康を気遣い、様子を伺う言葉を使います。
今回は(頭語)が「拝啓」で始まりましたので(結語)は「敬具」となります。
◇涼風待ち遠しい暮夏の折、
益々のご活躍をお祈り申し上げております。 敬具
◇残暑厳しき折、
くれぐれもご自愛専一にてお願い申し上げます。 敬具
◇残暑続きの毎日ですが、
風邪など召しませぬようお気を付け下さい。 敬具
◇吹く風に秋の気配を感じるようになって参りました。
どうぞお健やかにお過ごしください。 敬具
まだまだ残暑の厳しい時期ですが、
夏の終わりに、季節の巡りを想いながら
時候の挨拶に「暮夏の候」を使われてみてはいかがでしょうか。