誤嚥性肺炎というと
高齢者に多い病気です。
ところが実は子供でも
罹ってしまうことがあります。
高齢者の場合は身体の機能が衰えることにより
起こります。
子供の場合は身体の機能が未発達ということで
誤嚥をしやすいということが原因になるのです。
人間ばかりではなく犬でも
子犬や老犬は罹りやすいといわれるのが
誤嚥性肺炎です。
一度治療しても誤嚥を繰り返すと
再発することもあり、
なかなかやっかいな病気です。
再発を繰り返すことにより
薬に対する耐性菌ができたりして
治療することも難しくなります。
高齢者の場合は
死亡原因の上位になっている病気です。
子供の場合でも誤嚥そのものが
死亡事故の原因になったりしますから
充分な注意が必要になります。
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誤嚥性肺炎の症状について
肺炎の典型的な症状としては
高熱・ひどい咳・痰が
あげられます。
やっかいなことは
必ずこの3つの症状が
現れるということではありません。
赤ちゃんでも高齢者でも
実は肺炎を発症していても
はっきりとした症状が
でていないので気がつかないこともあります。
特に感染初期には
こういった症状が
出ていても目立たないことが多いのです。
高齢者の場合
誤嚥性肺炎を発症していても
発見が遅れるのは発熱・咳・痰などの症状が
わかりにくいことがあります。
高齢者はもともと生理機能が低下しているので
それらの肺炎に典型的な症状がはっきりと現れにくいのです。
誤嚥性肺炎のメカニズムは
口腔内の細菌が唾液によって
誤って気道に入ることで起こる、
ということです。
普通なら「むせ」や「咳」という反応が
起こるはずですが、
高齢者ではそれが起こりにくくなっています。
乳幼児の場合は自分で症状を訴えることができません。
高齢者の場合だと「軽い風邪」などと
自己判断して苦しくても我慢してしまったりと
いうことがあります。
微熱が続く
食欲がない
顔色が悪い
呼吸に雑音が混ざる
痰のからんだような咳をする
という症状があったら
肺炎を疑ってみたほうが
いいでしょう。
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高齢者・赤ちゃん・乳幼児の誤嚥性肺炎の症状には要注意!
誤嚥性肺炎は肺炎を疑うような
症状が出るまで
「ちょっと体調が悪いのかな」
程度に見過ごされがちです。
食べ物を咀嚼する事が困難な高齢者や
まだ「食べる」ことが上手にできない
赤ちゃんや乳幼児は
食事の工夫をしたりして
誤嚥を防いであげましょう。
赤ちゃんの場合食べ物などが
気管の奥に入ってしまうと
むせたりという反応をしません。
食事中に泣いたりすると
気管に物が入りやすいですが、
むせないので食事を与えている
大人も気がつきません。
高齢者・乳児・幼児など
誤嚥性肺炎を起こしやすい年齢層は
周囲の人が
呼吸音に雑音が混ざっていないか
胸の痛みなど訴えたりしていないか
食欲が低下していることはないか
舌や皮膚が乾くなど
脱水症状がでていないか
なんとなく元気がないということはないか
というポイントに
気をつけてあげるようにしましょう。
以上のような様子が見られるということは
誤嚥性肺炎を発症している可能性があるからです。
重症化してしまうと
呼吸困難
チアノーゼ
意識障害
血圧低下などが見られ、
治療に緊急を要するように
なってしまいます。
再発を繰り返すことも
多いことが知られていて
菌が薬に対する耐性を
つくりやすいことが
指摘されています。
誤嚥性肺炎の治療方法について
肺炎の原因となっている
菌を除去・または抑えるための
薬を使用するのが一般的です。
使用されるのは
抗生物質ですが
再発を繰り返すと
菌が薬に対して
耐性をつけてしまうことがあり
治療が難しくなります。
手術で治療する
という選択肢もあります。
以前は胃ろうという手段を
とることもありましたが、
この手段自体、
本人が望まないという場合もあったり
介護している家族も判断に迷いがあったりして
難しいところがありました。
最近多い例として
誤嚥性肺炎の原因となる
誤嚥下を防ぐために
左右の声帯部分を閉鎖して
気道と食道を
完全に分離するという方法があります。
ただしこの手術をすると
声門を閉鎖してしまうために
声が出せなくなってしまいます。
人工声帯を使って
コミュニケーションをとるように
なります。
誤嚥性肺炎のリスクは
なくなりますが、
この方法もまた決断が辛いでしょう。
一番の方法は
やはり予防につきるのかもしれません。
食材を細かく刻んだり
柔らかく煮たり
とろみをつけたりと
お世話する人には
料理の手間がかかったりしますが、
誤嚥下のリスクは減ります。
また口の中を清潔に保つ
寝たままの状態で食事をしない
食後2時間は横にならない
ひとくちを少量にする
なども効果的な誤嚥性肺炎の
病気を減らす予防対策です。