食生活が乱れていないにも関わらず、下痢や腹痛、便秘、お腹の膨満感などの症状があるので、病院で大腸検査などをしてもらっても特に異常が見られないという、過敏性腸症候群という病気があります。
この体の不調に対しては「FODMAP」という糖質が関係しているので、高FODMAP食品を控えて低FODMAP食品に切り替えて摂取による食事方法で改善させるという食事方法が注目されています。
そのFODMAPには、どのような食品が含まれているか知りたくありませんか?
また、過敏性腸症候群を改善する低FODMAPには、どのような食品があるのでしょうか?
低FODMAPによる過敏性腸症候群の改善方法についても、ご紹介します。
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FODMAPとは?該当する食品の一覧は?
FODMAP(フォドマップ)とは、小腸で消化吸収されにくく大腸で発酵する5つの糖質の総称で、頭文字を合わせた言葉です。
次の食品が該当します。
①発酵性糖質(Fermentable)・・・発酵を起こす糖質で、虫歯の原因になります。ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖など。
②オリゴ糖(oligosaccharides)・・・きな粉、たまねぎ、アスパラガス、キムチ、小麦など。
③二糖類(disaccharides)・・・牛乳、ヨーグルト、てんさい、砂糖、プロセスチーズなど。
④単糖類(monosaccharides)・・・はちみつ、果物など。
⑤糖アルコール(polyols)・・・プルーン、イチジク、キシリトール、シュガーレス菓子など。
これらの食品は「FODMAP」と呼ばれますが、一般的には、栄養が豊富で体に良いものなので、積極的に摂取している人は多いと思います。
ところが、これらのFODMAP食品を摂りすぎると、体の健康のためには逆効果とも言われていることがあります。
それが、過敏性腸症候群の原因の一つではないかと言うことです。
過敏性腸症候群の原因は、高FODMAPの摂りすぎ?
過敏性腸症候群は、大腸に腫瘍や炎症などの病気が無いことが前提です。
そして、最近の三カ月の間に、月に三日以上にわたりお腹の痛みや不快感が繰り返し起こり、下記の3項目のうち、2項目が該当することで、過敏性腸症候群と診断されます。
診断基準:ローマⅢ基準
①排便すると症状が和らぐ。
②症状とともに、排便の回数が増えたり減ったりする。
③症状とともに、便の外観の形状が柔らかくなったり硬くなったりする。
過敏性腸症候群になる原因は、ストレスや食べ物、腸の異常運動などがあり、はっきり確定したものはありません。
しかし、腸活を進めるために高FODMAP食品を摂りすぎたことで、小腸の収縮運動が過剰になり腹痛や下痢を起こすことや、小腸で吸収されなかったFODMAPが大腸で細菌のエサとなることで、大腸内で過剰な発酵をしてガスの発生や腹部膨満感、便秘を引き起こすことも原因の一つと考えられています。
過敏性腸症候群の改善のための低FODMAP食とは?
過敏性腸症候群の主な治療は、食事療法と運動療法です。
運動療法は、継続できる適度な運動を行うことで、症状を軽減するものです。
食事療法は、普段食べている食事を見直し、高FODMAP食品を多く摂っているならば、それらの食品を出来るだけ控えてみましょう。
また、コーヒー、アルコール、香辛料、タバコなどの刺激のあるものも控えた方が良いでしょう。
低FODMAP食品による改善方法として、次の方法を試してみましょう。
①高FODMAP食品を控える・・・3週間ほど控え、お腹の調子を確かめます。お腹の調子が悪いままだとFODMAP食品以外の原因が考えられます。
②低FODMAP食品に切り替える・・・3週間ほど高FODMAP食品を控えるときは、低FODMAPに切り替えます。
③少しずつ高FODMAP食品を再開してみる・・・3週間経ってお腹の調子が良い場合は、高FODMAP食品を一つずつ増やしてみます。増やしたことでお腹の調子が悪くなれば、その食品が特定できます。
④特定できた高FODMAP食品は避ける・・・特定されたものを食べないようにすることで、症状が改善できるようになります。
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高FODMAP食品と低FODMAP食品の一覧は?
FODMAP食品については、ネット検索すると多くの資料を見ることができます。
主なFODMAP食品には次のものがありますので、参考にしてくださいね。
高FODMAP食品
- 穀類・・・大麦、小麦、とうもろこし、お好み焼き、ケーキ、たこ焼き、ピザ、ライ麦、ラーメン、パスタ、うどん、そうめんなど。
- 野菜・・・アスパラガス、セロリ、さつまいも、マッシュルーム、らっきょう、ニンニク、にら、ゴボウ、カリフラワー、タロイモ、ゴーヤ、フライドポテト、ネギなど。
- 肉類・・・ソーセージなど。
- 魚介類・・・魚の缶詰など。
- 乳製品・・・牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、プロセスチーズ、クリームチーズ、ミルクチョコレート、プリン、ブルーチーズ、カッテージチーズなど。
- 豆類・・・アンコ、きな粉、カシュナッツ、小豆、わさびなど。
- 果物・・・りんご、すいか、あんず、桃、梨、アボガド、ライチ、柿、マンゴー、プラム、プルーン、サクランボ、パパイヤなど。
- 飲み物・・・りんごジュース、オレンジジュース、梨ジュース、ウーロン茶、ラム酒、はちみつ入りジュース、マンゴージュース、レモネード(糖入り)ハーブティ、麦芽コーヒーなど。
- その他・・・はちみつ、オリゴ糖、カレーソース、キシリトール、トマトケチャップ、豆乳、カスタード、絹ごし豆腐、ブイヨン、バーベキューソースなど。
低FODMAP食品
- 穀類・・・ご飯(米)、十割そば、ビーフン、切り餅、こんにゃく、玄米など。
- 野菜・・・レタス、ホウレンソウ、白菜、ニンジン、トマト、かぼちゃ、キュウリ、ダイコン、ピーマン、ブロッコリー、もやし、じゃがいも、たけのこなど。
- 肉類・・・牛肉、豚肉、鶏肉、卵など。
- 魚介類・・・魚介類全般。
- 乳製品・・・マーガリン、アーモンドミルク、バターチーズ、バターなど。
- 豆類・・・豆腐、ピーナッツ、くるみ、クリなど。
- 果物・・・オレンジ、ぶどう、レモン、ミカン、キウイ、イチゴ、バナナなど。
- 飲み物・・・水、麦茶、ブラックコーヒー、トマトジュース、日本茶など。
- その他・・・サラダ油、オリーブ油、ゴマ油、塩、コショウ、酢、メープルシロップなど。