高齢者で年齢を重ねると、いつの間にか体力の衰えや、若い時ほど食べることができなくなってきたと感じることがあると思います。感じるだけなら良いのですが、実際に筋力が衰えてくると、ケガや病気などにより、介護が必要となるリスクが増えてしまいます。そうなる前に、サルコペニアチェックをして、予防のため運動による体づくりや食生活の見直しをしましょう。
サルコペニアとは?ロコモ、フレイルとの違いは?
サルコペニアとは、加齢により筋肉量が減少して筋力や身体機能が低下することを言います。
ギリシャ語の筋肉をサルコ、喪失をぺニアと表すことから、筋肉喪失を合わせてサルコペニアという訳です。
ロコモ(ロコモシンドロー)は、サルコペニアの状態がさらに進行し、筋肉以外にも骨や関節、神経など身体全域にわたり、運動機能が低下している状態です。
フレイルは、加齢により虚弱になった身体の状態で、健康障害により介護が必要となる前段階の状態です。筋肉や骨格筋量以外にも体重減少、倦怠感、活動力や握力の低下なども含みます。
サルコペニアやロコモは、フレイルの中に含まれるといっても良いでしょう。
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サルコペニアの診断基準は?
サルコペニアの悪循環としては、筋力・活力の低下・疲労→身体機能・活動の低下→食欲・摂取量の低下による低栄養→筋力・活力の低下・疲労となり、骨折・転倒などのリスクが増加します。
まずは、自分がサルコペニアに該当するか、診断基準(日本人用)でチェックしましょう。
国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究の簡易基準案によると
①65歳以上
②身体機能・・・歩行速度1m/秒以下もしくは握力男性25kg未満・女性20kg未満
③BMI値が18.5未満、もしくは下腿囲が30cm未満
これらに該当するとサルコペニアと診断されます。
また肥満で、筋肉が少ない場合も、運動能力や歩行能力を低下させ、寝たきりになる恐れがあるので、要注意ですよ。サルコペニア肥満の基準は、次のとおりです。
・体脂肪率32%以上(体重kg÷身長m÷身長m)で骨格筋量指数が5.67kg/㎡以下
・女性の場合は、体脂肪率32%以上で握力18kg未満または歩行速度が1m/秒
サルコペニアの予防方法は?
サルコペニアの予防方法は、食事と運動が必要です。
・食事・・・栄養のバランスを考え、筋肉を作る栄養素としてタンパク質やビタミンなどが豊富なものを選びます。主食は米、パン、麺などで、主菜として肉、魚、卵、大豆製品、乳製品、副菜として野菜、きのこ、海藻類などが良いですね。
・運動・・・足腰の筋力を増加させます。スクワット(1日3回・1回につき5回)、片足立ち(1日3回・左右1分ずつ)、ウォーキング、体操などを積極的に行いましょう。また筋肉増強の体操のほかに、リラックスしてストレッチを行うと、筋肉を伸ばすことができ、血流も良くなります。
1日15分~20分の散歩やウォーキングを、日常生活に習慣づけるようにしましょう。