食べ物やお菓子を食べることで、よく意見が分かれているものに、食品添加物があります。
どのような意見かを簡単に言うと次の二つの意見です。
①食品添加物は、加工したものや人工物なので体に悪い、もっと自然のものを食べるべき。
②食品添加物は、保存や加工に必要なもので、厚労省の基準を守っているので、危険ではない。
どちらの意見を信じるかは個人の考えによりますが、食品添加物についてよくわからないという方に、食品添加物についてまとめましたのでご紹介します。
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添加物とはどんなもの?
食品添加物とは、食品を製造する中での添加や、食品の加工や保存する目的のために使用する
保存料、甘味料、着色料、香料などの物質です。
以前は、人工的に合成された合成添加物だけが添加物と指定されていましたが、現在は天然(自然)、人工(合成)の区別に関わらず、食品添加物として指定されています。
分類すると次のようになります。
・指定添加物(466品目・厚労省が指定)・・・殺菌料、強化剤、調味料、甘味料、防カビ剤、保存料、増粘安定剤、ガムベース、漂白剤、着色料、香料、豆腐用凝固剤、製造用剤など。
・既存添加物(365品目・天然添加物)・・・酵素、増粘安定剤、調味料、強化剤、甘味料、製造用剤、着色料、ガムベース、苦味料等、酸化防止剤など。天然のシソやクチナシなどの葉も、添加物の着色料として使用されています。
・天然香料(天然添加物)・・・リンゴや緑茶、乳などの動植物から得られる天然物質で、食品に香りを付けるために使用します。アロエ、バニラ、カニ、オリーブ、魚、バターなどの香料。
・一般飲食添加物(天然添加物)・・・一般の食品に添加物として使用されるもの。アズキ色素、オレンジ果汁、寒天、グルテン、ゼラチン、ヨモギ抽出物、トマトジュースなど。
添加物に対する日本での出来事は?
食品添加物については、日本では過去に次のような出来事がありました。
・明治の開国によって、毒性が不明の外国産の色素が多数輸入されましたが、その中には中毒を起こすものもあり、1876年には東京府が食品へ外国製着色料を使用することを禁止にしました。
・1900年から食品添加物関連の制限・規制が始まったが、サッカリン、ズルチンなど有害性のある甘味料の不正使用が続きました。
・1947年に食品衛生法が制定され、当時安全であると指定された食品添加物は60種類でしたが、1955年の森永ヒ素ミルク中毒事件、1969年の合成甘味料のズルチン、チクロ、1974年の合成保存料フリルフラマイドに発癌性が見つかり、結果としてこれらの食品添加物は指定からはずれました。
またアメリカでは、1958年にデラニー条項が制定され、人や動物に発癌性があると判明した物質は、食品添加物として使用できないようになりました。
これらの出来事の他にも、高度成長期に起きた公害の影響で、化学物質に対するイメージが悪くなったのは事実ですね。
そして食品添加物の中には、安全と思われていたものが、後々に危険なものであったということが判明し、使用禁止になるものもありました。
1999年には商品の安全性に関してまとめた「買ってはいけない」が出版されミリオンセラーになり、その中では食品添加物の危険性も指摘しており、その後も類似の本が多く出版されたことから、食品添加物に対して危険であるという考えが、一部の消費者に拡がりました。
ただし、この「買ってはいけない」は嘘であるという批判書も出版されていることから、本当はどっちが正しいのかわからないという消費者が最も多いと思います。
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添加物は、体に悪いの?
食品添加物には、良い香りを付ける香料、見た目が美味しそうだとか綺麗にする着色料、つるんとした食感のゲル化剤、栄養を強化するための栄養強化剤、商品を長持ちさせるための保存料、殺菌剤などがあり、これらの食品添加物を加えることで香りや食感が保たれ、すぐ腐ることを防ぐことで食中毒を防止しています。
また日本では豆腐やこんにゃくを固めるための「にがり(凝固剤)」や麺を作る時に使用する「かんすい」も添加物ですが、これらは添加物がないと作ることができません。
厚労省では、食品添加物は過去からの食生活経験から選ばれてきた食材と違うので、安全性の確保のため食品安全委員会の意見を聞き、その食品添加物が人の健康を損なうことが無いものを使用することを認めています。
食品製造者が厚労省の指定した添加物を上限値内の量、成分規格などを基準に合わせてしっかりと製造・販売していれば、食品添加物の安全確保を行っていると言えます。
しかし、安全と思われても過度に食することで、体に悪影響を及ぼす可能性は当然あります。
一般的な食生活を行っていれば問題はありませんが、同じ食べ物ばかり食べるような極端な食生活は避けないといけません。
体に悪いという、添加物の一覧は?
食品添加物が危険だと主張する説で、体に悪い添加物として、よくランキング一覧にあるものには、次のものがあります。
・亜硝酸ナトリウム・・・発色剤。発がん物質に変化する可能性あり。たらこ、ハム、明太子、ウィンナーなど。
・グリシン・・・保存料。食塩の過剰摂取につながる。おにぎり、サンドイッチ、弁当など。
・酵素・・・触媒。一部に発がん物質の過酸化水素が発生する可能性があり。和菓子など。
・ソルビン酸カリウム・・・保存料。他の食品添加物と組み合わせると発がん性が高まる可能性あり。漬物、ワイン、ソーセージ、ハム、チーズなど。
・臭素酸カリウム・・・改良剤。使用量により発がん性あり。菓子パン、食パンなど。
・安息香酸ナトリウム・・・防腐剤、防カビ剤。ビタミンCに反応して発がん性が高まる可能性あり。栄養ドリンク、炭酸飲料など。
・多数の添加物・・・一般のハンバーガーセットで、約70種類の食品添加物が含まれています。
食品添加物は、実際にスーパーやコンビニなどで見ると、ほとんどの食品に使われています。
もし、食品添加物自体がNGと考えるなら、スーパーで販売している商品のほとんどが食べることができなくなります。たまには、甘いものや辛いものも食べたいと思いますよね。
また、無添加物や保存料不使用と書かれていても、科学的に安全かどうかは根拠がありません。
体に悪いのは、偏った考え方で栄養バランスや安全性を考えず、身体に悪いものも良いものも含めて、過剰に一部の食物を摂取することです。
添加物にあまり神経質にならず、ゆったりとした気持ちで、食生活を楽しみましょう。