更年期とは、閉経をはさんだ前後約10年程の期間のことですが、閉経する年齢が平均50歳前後なので、おおむね45~55歳の時期と言われています。
女性なら誰もが経験する更年期ですが、その時期になるとホルモンのバランスが変化し、体や心に影響が表れ肌あれも発生します。
その肌荒れなどのトラブル原因と、対策についてご説明します。
更年期に起きる肌トラブルの原因を教えて?
女性ホルモンには代表する二つのホルモンがあります。
一つは女性らしさをつかさどるエストロゲンといい、肌の潤いを保つ水分保持、コラーゲンを合成してしわやたるみを予防し、女性らしさを醸し出す働きを持っています。
もう一つのプロゲステロンは、妊娠のための女性ホルモンと言われ、皮脂の分泌を促し肌の乾燥や黄体ホルモンとして、女性の体が妊娠しやすいように子宮内の環境を整えます。
肌トラブルの原因は、更年期になると女性ホルモンのバランスが崩れ、ホルモンの量が急激に減少することによってコラーゲンが不足するためです。
そのため肌が乾燥するほか、潤いや張りがなくなるなどのトラブルが生じます。
更年期の肌トラブルには、どんな症状があるの?
肌荒れの症状は、敏感肌になって刺激に反応するようになり、肌の乾燥、かゆみ、赤み、シミ、しわ、くすみなどがあり、ひどい時は顔だけではなく、頭や胸、脇の下に部分的に現れることもあります。
・吹き出物・・・更年期のできものでニキビに似ています。過剰に分泌する皮脂に細菌が繁殖して炎症を起こし、あごなどに出来やすいと言われています。
・肌の乾燥、かゆみ・・・肌の角質層の水分を正常に保てなくなり乾燥しやすくなります。乾燥するとかゆみを伴うことが多くなります。
・湿疹・かぶれ・赤み・・・ホルモンの減少によって肌の水分や脂分が減りバリア機能が低下します。そのため肌は刺激に弱くなり、湿疹・かぶれ・赤みなどのじんましん症状が出てしまいます。
・くすみ、シミ・・・肌の新陳代謝のリズムが乱れて、古い角質層が肌に残ってしまい、部分的にできるのがくすみやシミです。また新陳代謝が低下すると、メラニン色素が沈着してシミになります。
皮膚がピリピリするのは何が原因なの?
更年期になると、なんとなく肌がピリピリする方も多いようです。
肌のピリピリする原因は、免疫力低下による帯状疱疹によるウイルス感染、神経痛やヘルニアによるもの、更年期によるコラーゲン低下に伴う血液の血行不良によるもの、食生活の乱れによるビタミンの不足によるものなどがあります。
更年期によるものだと、ある程度の対策が自宅でもできますが、更年期以外の帯状疱疹や神経痛、ヘルニアの場合は、大きな病気になる可能性もあるので、しっかり医療機関で診断してもらうことが大切です。
更年期の肌トラブルの有効な予防や対策はあるの?
一般的に起きる肌トラブルを予防するには、肌の保湿を保つことが有効です。
・顔を洗う時は強くこすらずに、洗顔の泡をたっぷり付けてやさしく拭き取ります。
・習慣的に基礎化粧品などで肌を保湿し、顔パックやシートマスクでお肌ケアをします。
・紫外線の影響で色素沈着を防ぐために、UVケアアイテムを使用します。
・肌の新陳代謝を促進するため、ビタミンACEを豊富に摂取します。
・ストレスをなるべくためないように、お好きな趣味や運動でリフレッシュをします。
・普段から睡眠をしっかりとるのを心掛け、生活習慣を改善します。
肌トラブルが起きてしまった時の対策としては、生活習慣の改善や外出時の紫外線対策、漢方、サプリ、化粧品の使用などがあります。
更年期の肌トラブルに、漢方やサプリは有効なの?
一般的に更年期の肌トラブルに有効と言われる漢方は、
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)・・・赤みのある皮膚炎症、湿疹、皮膚炎、かゆみ。
・桂枝茯苓丸料加よくいにん(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)・・・ニキビ、シミ、手足の荒れ、更年期によるストレスや精神的不安の軽減。
・当帰飲子(とうきいんし)・・・皮膚の乾燥、湿疹、分泌物の少ない皮膚炎。
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)・・・あかみ、じんましん、湿疹、皮膚炎。
などがあります。
一般的に更年期の肌トラブルに有効と言われるサプリは、
・大豆イソフラボン・・・幅広い更年期障害。
・サボニン・・・女性ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌を促し、冷え性や自律神経の安定。
・ローヤルゼリー・・・女性ホルモンと同様の作用があり、自律神経やホルモンバランスを整えます。
などがありますが、サプリの場合は肌トラブルに対する効果、
適正な価格、継続性があるかが更年期に有効なサプリを選ぶポイントだと思います。
更年期の肌トラブルに対抗する化粧品は?
肌トラブルに対抗する化粧品の要素は、
・保湿・・・乾燥から肌の潤いを保つために保湿性に優れた化粧品が有効です。
・肌へ触れる回数が少ない・・・肌への刺激を避けるため、肌に触れる回数を最小限にしましょう。
・余計な添加物がない・・・肌の刺激には個人差がありますが、パラベン、アルコール、シリコン、香料、着色料などの添加物は避けた方が良いでしょう。
市販や通販で販売している、更年期の肌トラブルに対抗する化粧品は、高価格でない商品で口コミなどを参考として選ぶのも一つの選択だと思います。
ただし、肌トラブルも個人差があり化粧品も自分に合った商品かは使用してみないとわかりません。適正価格で長期間使用できる化粧品をおすすめします。
また、最近は肌トラブルに「肌断食」というもので、更年期障害に対抗している方も増えてきました。
肌断食とは、肌の衰えを感じたり、高価な化粧品を使用していても効果が無くなってきた、継続的に使用していた化粧品が最近肌に合わなくなって肌トラブルが発生したなどの状態を見直すことです。
肌断食の方法は、
・今まで使用してきた化粧品などのスキンケアを全て中止します。
・自分の肌の状態をチェックします。
・敏感肌化粧品など肌を刺激しない化粧品を朝晩使用する。
・時期を定めて肌の状態をチェックをし、以前の状態と比較します。
・状態を確認しながら、必要最小限の化粧品と生活習慣の改善により、自己回復力を高めます。
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