人の第五感とは、外界を感知するための感覚機能で、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚があります。
その中で聴覚とは、耳で一定範囲の周波数の音波を感じる感覚のことです。
一般的に聴覚は年齢とともに衰えていき、高齢者の中には話しかけても聞こえない、ちんぷんかんぷんの答えが返ってくるということがあります。
また、若い人が聞こえる音が、まったく自分には聞こえない。これはどういうことでしょうか?
耳年齢とは?モスキート音とは?
人間の聴覚は加齢とともに衰えて、高音から先に聞こえなくなるので、その限界を実年齢と比較するものが耳年齢です。
また人間の聴覚は20ヘルツから20,000ヘルツの周波数の音波が聞こえると言われています。
その周波数の範囲の中で、17,000ヘルツ前後の高音(高周波)をモスキート音と言います。
聞こえる音がキーンという音で、まるで「蚊が飛んでいるような音」として、若者にとっては耳障りで不快な音です。
20代前半の若者は聞こえますが、それ以上の年齢になるとだんだん聞こえずらくなるか、まったく聞こえなくなります。
耳年齢チェック、テスト方法は?
簡単な耳年齢チェックは、ネットで検索するとチェック動画がたくさん出てきます。
音量に注意して順番に各範囲音を聞きます。だんだん高い音になり、やがてパタッと聞こえなくなります。それがあなたの耳年齢です。
参考ですが、試してみると自分がどの程度の耳年齢か知ることができます。
【全年齢】7000Hz
【60~69歳】8000~9000Hz
【50~59歳】10000~11000Hz
【40~49歳】12000~14000Hz
【30~39歳】15000Hz
【25~29歳】16000Hz
【18~24歳】17000~18000Hz
【13~17歳】19000~20000Hz
医院等で行う聴力テストは、標準純音聴力検査、語音聴力検査、脳波聴力検査などがあります。
一般的には、標準純音検査を聴力検査といいます。
テストする方法は、外部からの音をシャットアウトする防音室で、椅子に腰かけヘッドホンを耳につけます。オージオメータという器械で音を出して、どれだけ小さい音が聞こえるか計ります。
ヘッドホンで気導、振動板で骨導の両方の閾値(ぎりぎり聞こえる大きさの音)を調べます。
聞こえる音の周波数や音量によって、正常、伝音難聴、混合性難聴、老人性難聴、騒音性難聴などの結果がわかります。
耳年齢の診断は?鍛えると回復するの?
耳年齢の診断やチェックの結果、若い頃聞こえていたモスキート音が、聞こえなくなっているので驚く方も多いと思います。耳年齢も老化していた・・・。
では、衰えた耳年齢を若くするために鍛えることはできるのでしょうか?
音の振動を感知する鼓膜の中の有毛細胞は、一度壊れると再生できません。
しかし、老化で細胞が壊れることとは現在防ぐことはできず、若くすることはできませんが、脳を鍛えることで耳年齢の老化を予防し、回復する可能性はあります。
方法は、大きな音を聞く時は耳栓をする、騒音を聞いた後は無音で耳を休ませる、テレビなどの音量は控えめにする、自然の音に耳を澄ませる、自分の声を集中して聞く、脳を鍛えるトレーニングをするなどがあります。
心身の老化はどうしても防ぐことはできませんが、若い気持ちを持って精神的にリラックスして穏やかな生活を送りましょう。