一般にお尻の穴（肛門）が痒くなる病気を
「肛門掻痒症（こうもんそうようしょう）」
といいます。
たとえ原因が違っていたとしても、
この病名が付けられてしまうことも考えられます。
肛門の皮膚炎の原因は大きく二つあります。
ひとつは真菌によるもの、
次に薬品による化学的な刺激によるものです。
化学的な刺激には、
石鹸、軟膏による副作用や汗などがあります。
肛門のかゆみの主な原因などについて
ご紹介したいと思います。
スポンサーリンク
肛門のかゆみの主な原因とは？
肛門のかゆみの主な原因として考えられるものは、
1.便の拭き残し
2.肛門周辺が汗などで湿っている
3.乾燥している
4.掻きむしり
5.腸内の炎症
6.痔
7.ギョウ虫
8.カビ
9.尖圭コンジローマ
などです。
便の拭き残し
排便の際の拭き残しがあると、
それが原因となりかゆみを生じる場合があります。
初期には入浴後から
就寝前にかゆみを感じるケースが多く、
次第に寝ている間に無意識に掻くようになり、
悪化すれば夜だけではなく
一日中かゆみを感じるようになります。
肛門周辺が汗などで湿っている
オムツや生理用品、
風呂上りの湿った状態で下着を身に着ける
など、蒸れた状態が原因となり
接触皮膚炎となります。
通気性を考えることが必要です。
乾燥している
過洗浄により皮膚は乾燥してしまい、
かゆみは更にひどくなってしまいます。
掻きむしり
掻きむしりを防ぐには、
軟膏などの薬を塗ります。
腸内の炎症
便秘で硬い便が出た後、
肛門を傷つけてしまい
炎症が起こることもあります。
また、便が出たと思っていても、
実際には出ていない状態を
「直腸性便秘」といいます。
改善されなければ、
肛門周囲に軟膏を塗っても、
かゆみは一時的におさまるだけで、
根本的に治療されません。
腸内環境を整えて、
食生活や生活習慣を
見治すことが必要となります。
痔
内痔核、
肛門狭窄が原因の場合があります。
痔の軟膏を使っていて
かゆみが出ることもありますが、
その場合は使用を中止してください。
かくことで悪化してしまいます。
ギョウ虫
比較的子供に多く、
夜間～明け方にかゆくなるのが特徴です。
カビ
外陰膣カンジダ症、カンジダ性膣炎。
「カビ」のことで水虫のようなものです。
もともとカンジダという真菌は
正常な皮膚にも存在していますが
体の抵抗力が落ちると増殖してします。
痒みはほとんどないか軽度です。
尖圭（せんけい）コンジローマ
尖圭コンジローマは、
ヒトパピローマウイルスによる感染症のことです。
早めに病院を受診してください。
スポンサーリンク
肛門のかゆみに効く市販薬は？
白癬菌が原因の場合は、
抗白癬菌治療で治りますが、
その場合以外は、
ステロイド系の外用薬で症状をおさえます。
ステロイド系のかゆみ止め薬を使用する際には、
必ず市販薬に添付されている説明書を
よく確認してください。
きちんと守らないと現在の症状が悪化したり、
副作用がおこりやすくなってしまいます。
肛門のかゆみ・病院は皮膚科？肛門科？
肛門のかゆみで病院を受診する場合に
何科を受診するか迷った場合、
痔の場合は肛門科を受診し、
ギョウ虫でしたら小児科か内科を受診します。
外陰膣カンジダ症の場合は、
外陰部のかゆみの他、
カッテージチーズのように
おりものが白くなります。
婦人科を受診してください。
肛門の湿疹の多くは
カビか化学的刺激によるものです。
ですがごく稀に皮膚ガンの場合があります。
「ぺージェット病」や「ボーエン病」の場合、
通常の湿疹との区別は難しいため、
肛門科を受診したが湿疹がよくならない、
という場合には、
皮膚科を受診してみてください。
肛門にかゆみを感じたら、
・掻かない
・洗いすぎない
・擦りすぎない、
ことです。
症状がさらに悪化する可能性がありますので、
入浴時石鹸をつけたタオルで
患部を直接こすり洗いすることも
止めてください。