がんは日本人の二人に一人がかかり、死亡率も第1位の病気です。
手術や抗がん剤治療、放射線に次ぐ
第4の治療法として注目が集まっている免疫療法を知っていますか?
最近、マスコミでも取り上げられ特集が組まれることも多くなり、
誰しも一度はその名を耳にしたことがあると思いますが、どのような治療法なのか?
知らない方も多いのではないでしょうか?
がんの第4の治療法「免疫療法」についてご紹介します。
免疫療法とは?効果は?治験は?
日本人の二人に一人がかかると言われている「がん」ですが、その治療には手術でがんを取り除いたり
抗がん剤を投与する方法、放射線を使った治療がありますが、
近年これに次ぐ治療法として免疫療法が世界中で注目されています。
免疫療法とは、体の中に入り込んだ異物を見つけ排除する働きを持つ、人間の免疫という能力を
高めることでがんを撃退しようという治療法です。
免疫療法は先に述べた他の治療法に比べると、即効性はないこともありますが、
効果が長い期間にわたって持続するという特徴があります。
比較的早い段階で見つかったがんに対して、この免疫療法を使うと高い効果があると言われています。
がんの免疫療法は大きく二つあります。
ガン細胞を攻撃して免疫応答を高める免疫細胞を利用した治療が一つ、
もう一つは免疫応答を抑える分子の働きを妨げる治療です。
がんと闘う免疫の働きを強めて、免疫の働きを妨害するものの働きを弱めることで
この二つを組み合わせることで最大の効果を得ようという治療法なのです。
肺がんや、皮膚がん(メラノーマ)に特に効果が高く、大腸がんや前立腺がんには効きにくいこともあるようで
今、その原因について研究されています。
その効果が高いとされる、皮膚がんのメラノーマについては、日本で初めて保険適用され
肺がんについては治験を終わって、厚労省への薬事申請も終えています。
この他のがんでは、腎細胞がん、頭頸部がん、胃がんなどでも治験が進んでいます。
これらでも効果がでれば、治療の方法も広がることでしょう。
がんの免疫療法の費用はどのくらい掛かる?がん保険は?
がんの免疫療法の多くは、現在健康保険の適用がないため費用が多くかかります。
免疫療法をしている病院によって値段は様々ですが、一度の治療で約30~50万円(もしくはそれ以上)
そして治療は1クールが3回以上する場合が多く、費用総額は数百万円になる場合もあります。
それでは、民間会社のがん保険は使えるのでしょうか?
がん保険の中の先進医療は、健康保険が適用される治療のことをいうので、免疫療法には
使えないことも多いのですが、中には先進医療に含まれるものもあるので、保険会社に相談してみましょう。
免疫療法に近づくなという反論の意見も?
免疫療法は、がんの第4の治療法と言われて注目されていますが、実際に行っている病院の数も
少ないのが現状で、費用も自己負担になる場合がほとんどです。
しかも、中には詐欺のようなものもあるのでよく調べて検討する必要があります。
副作用はほとんど見られない画期的な治療法ですが、自己負担となるその費用は莫大なものになります。
仮に費用面をクリアしたとしても、免疫療法はエビデンス(科学的根拠)がない治療法という意見もあります。
がんに効果があると証明できるほどのデータもまだありません。
がんの免疫療法は第4の治療法として注目を集めていますが、その費用の多さと科学的根拠が
ないとも言われている上に詐欺もあるということで、かなり慎重に調べて検討しなければならない
ということが分かりました。
しかし今もなお、その研究は進められているので、いつの日か安心して出来る治療法になる日も
来るかもわかりません。
もし、今考えているのなら、医師によく相談して、メリットデメリットをきちんと把握したうえで治療を行ってください。