顔面神経麻痺といえば、芸能人の方々でもなった人も多いようでよく耳にしますね。
ストレスによるチック症状で、まぶたの下あたりが痙攣することがよくありますが、
この症状が長く続くと顔面神経麻痺の前兆なのかと心配になりますよね。
顔面神経麻痺の原因やその症状や治療方法などについて、ここではご紹介していきます。
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顔面神経麻痺とは?その原因を判断するための検査にはどんなものがある?
顔面神経麻痺は、顔の表情筋の運動や味覚・聴覚などを司る顔面神経に何らかの原因で障害が起こることで引き起こされる運動麻痺です。
顔面神経麻痺は2種類に大別されます。
原因が明らかな症候性顔面麻痺と、原因が不明な特発性顔面神経麻痺です。
特発性顔面神経麻痺はベル麻痺とも呼ばれます。
急性あるいは亜急性に発症します。
症候性顔面麻痺の原因疾患として多いのは、ヘルペスウイルス感染症です。
口唇ヘルペスになったことがある人は顔面神経麻痺を突然発症することがあります。
この他の原因としては、糖尿病や腫瘍、代謝疾患などがあります。
一方、原因が特定されていない特発性顔面神経麻痺ですが、顔面神経が腫れて顔面神経が圧迫されることで麻痺が起こると考えられています。
例えば、精神的なストレスや一度体が冷えてしまうとなかなか通常の体温に戻らない「寒冷暴露」、アレルギー、ウイルス感染、局所浮腫などが原因とされています。
顔面神経麻痺は、顔の表情から診断が可能です。
麻痺の原因となる病気を患っていることが疑われたり、顔の両側に同時に発症したり、一度治っても何度も麻痺が発症する場合などは、MRIのような画像検査が行われます。
他にも、まれに顔面神経麻痺を引き起こすサルコイド、ライム病といった珍しい病気が疑われる時には、血液検査が必要な場合もあります。
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顔面神経麻痺の症状 初期症状や後遺症はあるの?
顔面神経麻痺の初期症状として、顔の筋力の弱まり麻痺が起こる数時間前もしくは1、2日前に耳の後ろが痛みます。
麻痺がピークになる前兆の症状です。
ベル麻痺は以下のような症状が典型的な症状です。
・額にしわを寄せられない
・麻痺側の表情が乏しくなる
・眼が閉じられない、涙が減る、角膜に潰瘍ができる
・口角が垂れ下がり口がゆがむ、口笛がふけなくなる、口からよだれが垂れる
・麻痺が起こっている側の耳が過敏になり、音が響くように聞こえる
・味覚に異常を感じる。物を食べると、金属を口に入れたような感じがする
以上が典型的な症状例です。
また、原因が帯状疱疹ウイルスの場合、耳の中や耳たぶの水泡ができ、難聴や耳鳴り、めまいといった症状が見られます。
顔面神経麻痺は、比較的予後が良好で、3カ月~6カ月程度で完治します。
後遺症なく回復することがほとんどですが、完治に1年以上と長く要した場合、麻痺が一部残ることがあります。
もしくは、顔面神経が再生したものの、それが本来とは異なった筋を支配してしまうことがあります。
その場合は、異常連合運動が起こり、口を閉じると眼も閉じてしまったり、熱いものや冷たいものを食べると涙が出たりするという反応が起こるようになることがあります。
顔面神経麻痺は自然治癒で治ることもありますが、こういった後遺症を残さないためにも早期に医療機関への受診をおすすめします。
ちなみに、顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科にかかりましょう。
顔面神経麻痺の治療方法とリハビリ方法
顔面神経麻痺の治療方法は、その原因に合わせて行います。
例えば、ベル麻痺の場合、ホルモン剤であるステロイドを早期に投与します。
ウイルス性の麻痺の場合は、ステロイドに加えて、抗ウイルス剤であるゾビラックスというヘルペスウイルスの特効薬を併用します。
他にも、星状神経節ブロックという治療法があります。
星状神経節を一時的に麻痺させることで、血管が拡張し、障害が出ている部位に栄養や酸素を送り治癒を促すという方法です。
また、数カ月経っても症状に完全が見られないような場合は、顔面神経減荷術という手術を行うこともあります。
自宅できるリハビリ方法としては、マッサージが挙げられます。
温かい蒸しタオルで表情筋を温める温熱マッサージも血流を改善してくれるので有効です。
蒸しタオルで温めた後、毎日手の平で優しくマッサージすることで筋肉が強ばるのを防げます。
この時麻痺している側だけでなく両側をマッサージするのがポイントです。
表情筋を意識的に動かしてみるのも良いリハビリになります。
例えば、鏡を見ながら百面相のように様々な表情を作りながら、手でしわを寄せたり伸ばしたりする、
できるだけ大きく口を開けてゆっくり「ア・イ・ウ・エ・オ」を言う、
などしてみましょう。
首や肩回りのストレッチも併せて行なうと効果的です。
ストレスは顔面神経麻痺を引き起こすだけでなく、顔面神経麻痺を気にすることが新たなストレスになることがあります。
ウォーキングなどで心身ともにリフレッシュするようにしてストレス解消するようことも大事な心がけです。