手紙や文章の冒頭にみられる時候の挨拶ですが
四季折々、季節によって
じつに様々なものがあります。
それぞれの季節のなかでも
細やかな配慮を感じさせる時候の挨拶ですが
そのなかで「新秋の候」という
時候の挨拶についてはご存知でしょうか。
新秋の候の読み方と意味
「新秋の候」の読み方は(シンシュウノコウ)です。
新秋には「秋の初め。初秋。
旧暦の七月の意で、秋の初めをいう。」
といった意味があるそうです。
秋の初め、といいますと、
厳しい残暑も残りわずかと思っていると、
ふと気付けば吹く風がどこか涼やかに感じられる、
新しい季節を迎えた頃でしょうか。
新秋の候の時期は?いつからいつまで?
「新秋の候」という時候の挨拶が、
何月を表している季語かといいますと、
9月となります。
使われる時期はいつかといいますと、
だいたい8月下旬くらいから9月上旬頃に
使われる時候の挨拶といわれています。
実生活の上では、
まだまだ残暑の厳しいこの時期ですが、
暦の上ではすでに秋の始まりとなります。
厳しい残暑が次第に薄れ、
爽やかな過ごしやすい季節となり、
日中も活動的に動くことができます。
気付けば夜が更けるのも早くなり、
虫の音も聞こえ出します。
秋の夜長の読書など、
楽しみにされている方も少なくないのではないでしょうか。
これから始まる秋に向けて、
色々と想いをはせる時期なのかもしれません。
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新秋の候の使い方・季節の挨拶を含む拝啓から始まる例文と結び
「新秋の候」の使い方を例文でご紹介したいと思います。
文章は(頭語)から始まり(結語)で結びます。
時候の挨拶は、手紙の前文で(頭語)に続く
書き出しの言葉です。
また、
よく知られている(頭語)で「前略」がありますが、
これは前文を略す、という意味ですので
前文である時候の挨拶を使ったときの
頭語としては使用しませんのでご注意ください。
「拝啓」を(頭語)に使ってみたいと思います。
◇拝啓 新秋の候 爽やかな季節を迎え
皆様におかれましては
ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
◇拝啓 秋風が心地よい新秋の時節となりました。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
◇拝啓 秋の気配も次第に濃くなり
過ごしやすい好季節となってまいりました。
◇拝啓 心地よい風吹く新秋の季節、
皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
文章の最後は、相手の健康や様子を気遣い結びます。
「拝啓」で始まりましたので(結語)には「敬具」を使います。
◇新秋快適の候、どうぞお健やかにお過ごしください。敬具
◇季節の変わり目、ご自愛専一にてお過ごしください。敬具
◇秋風の心地よい季節となりました。
ますますのご活躍をお祈り申し上げます。敬具
◇吹く風に虫の音が心地よい季節となりました。
風邪など召しませぬようお気を付け下さい。敬具
新しい季節の始まりには、
何度迎えても心躍るものではないでしょうか。
厳しい夏の残暑から、
涼やかな秋風を感じはじめた季節に
「新秋の候」を使った時候の挨拶はいかがでしょうか。