時候の挨拶はたくさんありますが、
春であっても使える時期が異なったりと、
使い分けが難しいと感じている人も多いことでしょう。
ですが、季節を感じさせる時候の挨拶を
正しく使うのも大人の嗜みです。
今回は時候の挨拶の中から「春寒の候」を取り上げ、解説していきます。
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「春寒の候」の時期はいつからいつまで?
「春寒の候」は2月によく使われる時候の挨拶ですが、一体いつからいつまでを指すのでしょうか?
「春寒」とは、春を迎えても寒さが残っているという言葉です。
つまり、“春を迎えても”というのは立春を指しているわけですから、
「春寒の候」の時期は、立春以降ということになります。
一方で難しいのが、いつまでの時期を言うのかというところです。
一般的には、2月いっぱいといったところでしょうか。
送り先の地域によっては、3月の初旬から中旬にかかるくらいまで用いてもいいかもしれませんね。
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春寒の候の意味と読み方
「春寒の候」は、2月の立春以降に使われる時候の挨拶です。
この「春寒の候」は「しゅんかんのこう」と読みます。
「春寒」とは、「立春からあとのぶり返した寒さ。」ことを意味します。
「春寒」と同じく立春以降に使う時候の挨拶に、「余寒の候」というのもあります。
「余寒」は立春を過ぎたものの寒さが残る、という意味合いが強いように感じられませんか?
それに対し「春寒」は、字面から受けるイメージの通り、
立春以降の寒さも残ってはいるもののだんだんと春の気配も感じられる様を表します。
「春寒の候」は具体的に使う時期が定められている時候の挨拶ではないようです。
ですから、その時の季節感や送り先の気候に合わせて使うと良いのではないでしょうか?
春寒の候を使った例文
ここでは、「春寒の候」を使ったお手紙の例文を示しておきます。
“拝啓
春寒の候、皆様におかれましてはなお一層ご健勝のこととお慶び申し上げます。
先日は、長男の誕生に際しまして、ご丁寧なお祝いを頂戴し、誠にありがとうございました。
○月○日に誕生した長男は、体重○○○○グラムの元気な子です。
○○という願いを込めて、○○と命名いたしました。
おかげさまで母子ともに健やかに過ごしております。
今後は、これまで以上に夫婦二人で力を合わせ、育児に奮闘してまいる所存です。
親として新米の私どもにご指導くださいますようお願い申し上げます。
なお、ささやかではございますが、内祝いの品を別便にて送らせていただきました。
ご笑納いただければ幸いです。
春の気配も感じられますが、まだまだ寒い日もございます。
皆様も何卒ご自愛ください。
まずは書中をもちまして、御礼申し上げます。
敬具”
今回は、出産祝いへのお礼状をご紹介しました。
拝啓は「謹んで申し上げます」の意で、結語は「敬具」です。
お手紙の基本ですので、セットで覚えておきましょう!
個人的なお手紙ではぜひ結びの文でも、気持ちを伝えたいところです。
お相手の健康や幸せを願う一文を添えましょう。
始めの時候の挨拶と対になるような文だと手紙としてもまとまりが出ます。
三寒四温の春先に出す手紙には、「春寒の候」という時候の挨拶が使いやすそうですね!