時候の挨拶には多くのものがあります。
春夏秋冬のそれぞれの季節のなかでも、
さらに細やかな配慮ある季節の挨拶がありますが
そのなかで「秋冷の候」という時候の挨拶はご存知でしょうか。
「秋冷」とはどのような時期を表したものなのでしょうか。
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秋冷の候の読み方と意味
「秋冷の候」の読み方は(シュウレイノコウ)です。
「秋冷」には、
秋になって肌に感じられる冷ややかさ、また、その冷気。
といった意味があるそうです。
秋風が冷やりと感じられる、
暖房や冷房を使用する必要のない、
一年の中でも大変過ごしやすい時期に使われる
時候の挨拶です。
見あげた青空がいつもより高く感じられたり、
金木犀の甘い香りや、
コスモスの色鮮やかな花弁に心和む、
心地良い季節ではないでしょうか。
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秋冷の候の時期は?いつ?
「秋冷の候」という時候の挨拶が、
何月を表している季語かといいますと、
9月終わり頃から10月です。
厳密に何月に使うもの、
と決まっている挨拶ではありません。
「秋冷の候」が使われる時期はいつかといいますと、
秋の始め、初秋を過ぎたあたりです。
日ごとに深まる「涼しさ」が「冷やかさ」へと
変わりはじめた頃、
そのような時期に使われる時候の挨拶です。
わずかながら夏の気配を残した「涼」の気配から
「冷」を感じ始めた秋へと、
季節が移り変わる様子を思い起こすことが
できるのではないでしょうか。
9月の上旬・中旬・下旬の時候の挨拶
10月の時候の挨拶!季節の挨拶の例文!
秋冷の候の使い方・季節の挨拶を含む例文と結び
「秋冷の候」の使い方を例文でご紹介したいと思います。
文章は(頭語)から始まり(結語)で結びます。
時候の挨拶は、
手紙の前文で(頭語)に続く書き出しの言葉です。
また、よく知られている(頭語)で「前略」がありますが、
これは前文を略す、という意味ですので
前文である時候の挨拶を使ったときの頭語としては
使用しませんのでご注意ください。
今回は(頭語)に「拝啓」を使ってみたいと思います。
◇拝啓 秋冷の候 皆様におかれましては
ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
◇拝啓 秋冷のみぎり
虫の音に秋の気配を感じる季節となりました。
◇拝啓 一雨ごとに秋の気配深まる今日この頃、
お変わりなくお過ごしのことと存じます。
◇拝啓 さわやかな秋晴れの続く好季節となりました。
いかがお過ごしでしょうか。
今回の例文では(頭語)が「拝啓」で始まりましたので
(結語)は「敬具」となります。
最後は、相手の健康や様子を気遣った文章で結びます。
◇紅葉の美しい好季節、
ますますご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。敬具
◇秋冷の折、風邪など召されませぬようご自愛ください。敬具
◇秋雨の折、風邪など召しませぬようお身体おいとい下さい。敬具
◇秋深まりゆく季節となりました。
くれぐれも無理をなさらぬようお気を付け下さい。敬具
凌ぎ易い秋の爽やかな季節感や、
降り続く秋雨など、
その時の天候にふさわしい挨拶のなかに
「秋冷の候」という時候の挨拶を
取り入られてみるのはいかがでしょうか。