街を歩いていると目が不自由な方が、白っぽい杖を使って歩いているのを見かけることがありませんか?
よく見ると、高齢者の方が体を支えるために使用している杖と違い、コンコンと地面を叩く動作や小さくスライドさせながら歩いているのに気づくと思います。
漫画好きの方なら知っている人が多いと思いますが、WEBやコミックで人気の漫画「ヤンキー君と白杖ガール」で、主人公が使っている杖が白杖です。
その白杖はどういうものなのか、使い方や種類はあるのかなどについて、まとめましたのでご紹介します。
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白杖とは?
白杖とは、読み方は「はくじょう」と読み、全盲、弱視、視野障害、低視力などの視覚障害のある方が、歩行するときに使用する白い杖のことを言います。
白杖は、主に握るためのグリップ、主軸のシャフト、先端部分のチップ(石突)の3部分からなる構造となっています。色は白と黄色がありますが、形状・材質についての特別な規定はありません。材質としては、アルミ製、グラスファイバー、カーボンファイバーなどの丈夫な強化プラスチック製などの非金属製で、軽量で丈夫なものが多く使用されています。
また、路面の横断歩道などの白い部分や雪道に対応するため、先端部分を20㎝程度の赤色塗装や赤いテープを貼っているものもあります。
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白杖を見かけたらどうする?
視覚障害者の方が歩行する際に、自動車や自転車、歩行者などに接触して怪我をすることが多いことから、道路交通法14条の中で「目が見えない者(目が見えない者に準ずる者も含む)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、または政令で定める盲導犬を釣れていなければならない」と定められています。危険防止のために、白杖は義務付けられているのです。
また、その白杖を持っている方が、道路を横断している、または横断しようとしている場合において必要と認められるときには、その場に居合わせた者は、誘導、合図、その他の適当な措置を行い当該歩行者が安全に横断できるように努めなければなりません。
もし、白杖を持っている方が困っている様子なら、まずは声かけをしてみましょう。
「何かお手伝いすることはありますか?」「向こう側へ渡りますか?」「段差がありますよ」「信号は赤ですよ」など声掛けして、やさしく肩にさわるか軽く肩をたたきます。
いきなり肩を強く叩いたり、腕をつかむのはびっくりするので止めましょうね。
ただし、特に困っていないときもあるので、断られても気にしないようにしましょう。
また、視覚障害者の方が白杖を持つ手を高く上げて周囲に助けを求める合図を、SOSシグナルと言います。この合図を見たら道に迷ったとか、不安になっている、何か困っているということなので、駆け付けて事情を聞いて、何らかの支援をするようにしてくださいね。
白杖を使っている人を見たら、何かしてあげられることがあるか考えてみましょう。
白杖の使い方は?
白杖には主に次の三つの目的があります。
①安全を確保・・・障害物など歩行に支障する物に対して、事前に安全確保をします。
②歩行するときに必要な情報収集・・・歩行するときの前方、周囲の道路状況、障害物の有無、段差、歩道の切れ間などの情報を収集します。側溝や穴、下り階段などは危険ですね。
③周囲に視覚障害者であることを知らせる・・・自動車・自転車・一般歩行者・警官に対して視覚障害者であることを注意喚起してもらうこと。
白杖の使い方(操作の仕方)には、主に次のものがあります。
・スライドテクニック・・・斜め前方の地面を肩幅程度か少し狭い幅でスライドさせます。地面の凸凹や障害物に対応することができます。
・タッチテクニック・・・斜め前方の離れた2点をタッチしながら歩きます。障害物などの事前察知のほか、音を立てて自分の存在を周囲に知らせる効果があります。
また、この二つのテクニックを組み合わせることも使い分けることもあります。
白杖はどこで売ってるの?どんな種類があるの?
白杖を入手する方法には、次のものがあります。
・補装具として申請・・・白杖は視覚障害の補装具として認定されているので、眼科で身体障害者手帳の診断書を書いてもらい、各市町村の福祉関係の窓口に申請し支給を受けます。
・商品として購入・・・ 通販サイト、ホームセンターや大手ドラック店の介護用品売り場、杖の専門店、介護用品店などで購入することができます。価格は3,000円~10,000円程度が相場で、種類や材質によって異なります。
白杖の種類は主に3種類があります。
①直杖タイプ・・・継ぎ目のない1本の杖です。耐久性や情報伝達面で優れていますが、置き場所に困ることがあります。
②折りたたみタイプ・・・折りたたんで、カバンやバッグなどに収納することができます。持ち運びに便利ですが、耐久性や情報伝達面で直杖タイプには劣ります。
③伸縮タイプ・・・アンテナのように伸縮させて、カバンやバッグなどに収納することができます。持ち運びに便利ですが、耐久性や情報伝達面で直杖タイプには劣ります。
それぞれメリット・デメリットがありますが、歩行する方法や目的に応じて折りたたみタイプかスライドタイプから1種類を選び、直杖タイプと2種類持っていると、使い分けができて便利です。
白杖を使いやすくするグッズは?
白杖を使いやすくするためのグッズをご紹介しますので、参考にしてくださいね。
・白杖歩行サポートハンドブック(読書工房)・・・視覚障害者の方の他に、サポートする家族や付き添いの方なども利用できる白杖歩行生活へのアドバイス本です。価格1,760円(税込)。
・白杖用反射テープ・・・白杖に巻く反射テープです。少しの光に反射するタイプや蛍光タイプ、自動車などのライトに反射するタイプがあります。
・白杖用クリップ・・・白杖用どこでもクリップできるアイテムがあります。テーブルの平面部分などに白杖が倒れないように置けるクリップです。杖を販売しているコーナーなどに、色々な種類のクリップが販売されています。
・白杖チップ(石突)・・・白杖の先端部分にはめ込むアイテムです。先端が丸いもの、キノコのような形状のもので、材質は特殊ゴムチップ、夜光性ゴムチップ、パームチップなどがあります。