手紙やメールを出す際には、
時候の挨拶は欠かすことができません。
しかし、この時候の挨拶は
実に多くのものがあり、
どの挨拶がふさわしいのかと書き出しで
困ってしまった経験はないでしょうか。
多くの時候の挨拶の中から
「長雨の候」について説明したいと思います。
長雨の候の読み方や意味は?
読み方は「長雨の候(ながあめのこう)」です。
長雨とは、梅雨に降り続く雨を意味しています。
たしかに梅雨入りしますと
雨が連日続きますので「長雨」となります。
しかし春や秋にも長く降り続く時期があります。
ですが「長雨」とは梅雨時期を表す季語ですので、
春や秋に使うことはありません。
間違って梅雨以外の他の季節に使わないように
気を付けたいものです。
長雨の候の時期はいつ?
「長雨の候」は何月に使う時候の挨拶かといいますと、
主に6月となります。
いつかと言いますと梅雨の時期となります。
季節が春から夏へと移りかわる途中で
梅雨入りをします。
梅雨に入ると雨の降る日が多くなり
日照時間が少なくなってしまいます。
連日雨が続きますが
数日にわたり晴れる日もあります。
梅雨の中休みです。
しかし多くの日は雨が降り続き
湿った空気が漂ってしまいますので、
束の間の梅雨の中休みに一息つきながら、
梅雨明けを待ち遠しく
思われる方が多いのではないでしょうか。
そのような時期に適した時候の挨拶です。
長雨の候の使い方や時候の挨拶の例文と結び
雨の長く降り続く梅雨を表した「長雨の候」の
使い方はどのようなものがあるのでしょうか。
まず最初に拝啓などの「頭語」からはじまり、
次に季節を表現する言葉を続けます。
これが「時候の挨拶」となります。
一般的に多く用いられる
(拝啓)を頭語にした「長雨の候」の使い方を
例文でご紹介したいと思います。
・拝啓 長雨の候、紫陽花の花が鮮やかに映る季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 長雨の候、梅雨冷えが肌寒い季節となりましたが、お元気にお過ごしでしょうか。
・拝啓 長雨の候、梅雨に濡れた木々の緑がいっそう深みを増しています。皆様お変わりはございませんか。
時候の挨拶のあとには、相手の様子を尋ねます。
そして文章の終わりには必ず
相手の安否などの様子を気遣います。
そして文章の最後は締めくくりの言葉である
「結語」で文章を結びます。
・梅雨冷えの厳しい今日この頃、お体にはご留意下さい。 敬具
・梅雨寒の時節柄、風邪などお召にならぬようご自愛ください。 敬具
・梅雨明けが待ち遠しい今日この頃となりましたが、どうぞお健やかにお過ごしください。 敬具
四季折々、それぞれの風景があるように
時候の挨拶もその時々にあわせて使い分けることで、
よりいっそう相手に対する想いが
伝わるのではないでしょうか。
梅雨時期は何かと気が滅入りやすい季節です。
受け取る相手が少しでも
晴れやかな気持ちになれるようにとの
想いをこめて「長雨の候」を
時候の挨拶に使ってみてはいかがでしょうか。