手紙やメールなどで、
礼状やビジネス文書など改まった文章を
作成することがあるかと思いますが、
その際に使う時候の挨拶に迷うことはないでしょうか。
季節毎に実に多くの挨拶があるため、
どの文言を用いるのが正しいのか、
相応しいのか、よく分からなくなることもあるかと思います。
しかも、同じ季節のなかでも
始まりと終わりでは、違う時候の挨拶が
ふさわしかったりと悩ましい限りです。
この多くの時候の挨拶のなかに「軽暑の候」
という時候の挨拶があります。
軽暑の候とは、どのような意味があるのでしょうか。
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軽暑の候の読み方や意味?
読み方は「軽暑の候(けいしょのこう)」と読みます。
春が終わり気温の上昇とともに次第に暑さを感じ初め、
季節が夏に向かっていることを
思わせる時期を意味しています。
つまり、初夏を表しているのです。
軽暑の候の時期っていつ?
この時候の挨拶が使われるのは何月かといいますと、
主に5月下旬に使われます。
そして軽暑は「夏」の季語となります。
5月なのに夏の季語なのかと思われるかもしれませんが、
暦の上での5月初めは「立夏」です。
春の柔らかな日差しから
次第に夏の力強い日差しへと変わりだし、
そろそろ夏の準備を始める頃となります。
とはいえ、夏のような強烈な暑さではなく、
一年のなかでももっとも過ごしやすい、
穏やかな時期となります。
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軽暑の候の使い方や時候の挨拶・結びの例文
まだまだ夏には遠いけれども、
夏の気配や爽やかな風を感じることができる、
そのような季節を表す「軽暑の候」を使った
時候の挨拶文の例文をご紹介したいと思います。
まず最初に
「頭語」から始まり「前文」「主文」と続くのですが、
「前文」には時候の挨拶が含まれるのが通常です。
頭語には(拝啓)を用いてみます。
・拝啓 軽暑の候、風薫るさわやかな季節を迎え、皆様にはご機嫌うるわしくお過ごしのことと存じます。
・拝啓 軽暑の候、木々の深緑がまぶしい季節となりましたが、お変わりございませんでしょうか。
・拝啓 軽暑の候、そよぐ風に初夏の気配を感じる今日このごろ、お元気でお過ごしでしょうか。
この季節の爽やかな雰囲気を表したものです。
季節は穏やかな春から力強い夏に向かっており、
その合間の暑くも寒くもない、
過ごしやすい明るい時期を表した
時候の挨拶かと思われます。
そして(拝啓)から始まったこの文章の
「結語」には、対となる(敬具)で結びます。
・梅雨入り間近となりました。どうぞお身体を大切にお過ごしください。 敬具
・風薫る爽やかな時節、どうぞお健やかにお過ごしください。 敬具
・時節柄、ご自愛専一にてお願い申し上げます。 敬具
このように、結びでは季節感のある言葉と一緒に相手の様子を気遣います。
定型の挨拶文でももちろんよいのですが、
これらの時候の挨拶文をとりいれることで
一年のなかでも限られた時期を表現する使い方ができ、
受け取る相手にはより印象深い
文章となるのではないでしょうか。