改まった手紙やビジネス文書などを作成する場合、
「頭語」から始まり「前文」「主文」と続くのですが、
「前文」には時候の挨拶が含まれています。
この時候の挨拶には季節毎に実に多くの挨拶文がありますが、
そのなかから「青葉の候」について説明したいと思います。
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青葉の候の読み方・意味は?
読み方ですが「青葉の候(あおばのこう)」と読みます。
5月から6月にかけての時候の挨拶に用いられます。
青葉の意味するところとは、
木々が深く濃い緑色の葉で
青々と茂っている様子を指しています。
6月に入ると新緑色だった若葉が
深緑色の力強い葉色に成長して木々を覆いだし、
そして雨に濡れてより一層緑が濃くなる様子も表されています。
ここで表されている葉は
土に生えている草の葉ではなく、
木に生えている葉のことを指しているそうです。
青葉の候の時期はいつ使う言葉
この時候の挨拶がいつ使われているのかといいますと、
主に初夏です。
具体的な時期は何月かとなりますと、
概ね5月下旬から6月にかけてとなります。
ただ6月にはいりますと梅雨の時期と
重なってしまう場合があります。
梅雨になればまたふさわしい
時候の挨拶もありますので、
その時々での判断も必要になるかと思われます。
自分のまわりの地域は初夏の陽気につつまれていても、
相手先の地域では梅雨時期だった場合などが
ありますのでご注意ください。
時候の挨拶にこの月には
必ずこの挨拶をしなければいけない、
といった厳しい決まりはありませんので、
季節の変わり目などの曖昧な時期には
相手先に合わせた挨拶文を選ばれるのが良いかと思います。
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青葉の候の使い方や時候の挨拶の例文と結び
青葉の候を用いた例文をご紹介したいと思います。
青葉は夏の季語となります。
最初に拝啓などの「頭語」からはじまり、
次に「青葉の候」などの季節を表現する言葉を続けます。
これが「時候の挨拶」となります。
そして、相手の安否などの
様子を気遣った言葉を続け、
用件へと入ります。
一般的に多く用いられる
(拝啓)を頭語にした使い方です。
・拝啓 若葉青葉の候、ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 青葉の候、貴社ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
・拝啓 青葉の候、皆様お健やかにお過ごしのご様子、なによりと存じます。
5月あたりですと色の柔らかな
若葉が木々を覆っていますので、
最初の若葉青葉の挨拶文などが使われます。
6月に入りますと木々の彩りは
若草色から深緑色と変わってきますので、
青葉を用いた挨拶文などが使われます。
その時々に合わせた言葉を用いて時候を表します。
そして最後は、書き出しの挨拶文の
「頭語」と対の組み合わせとなる
「結語」で文面を締めます。
今回は(拝啓)で始まりましたので結びは
(敬具)となります。
・初夏の風も爽やかな好季節、どうぞ心穏やかにお過ごしください。 敬具
・青葉繁れる好季節、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 敬具
・軽暑の季節柄、なおいっそうご自愛ください。 敬具
このように相手を気遣った言葉で結ぶのが
一般的な使い方かと思われます。
ただし、近しい間柄の相手でしたら
「頭語」「結語」を省略して
時候の挨拶に入ることで、
堅苦しい印象がなくなり
親しみやすい文章となるため
あえて省く場合もあります。